警察はパースケールの自宅から複数の銃を押収しており、彼の妻の顔には痣があったという。さらに、現場にはパースケールの「警官の友人」が現れ、彼が必要以上のトラブルに巻き込まれないように手助けをしたという。
地元紙のサン・センティネルによると、警察はパースケールの自宅から複数の拳銃や散弾銃、ライフルなど10丁の銃器を押収したという。警官はまた、パースケールの妻のキャンディスの腕と顔に痣があるのを確認しており、彼女はそれが夫からの暴力によるものだと話したという。
サン・センティネルは、今回の事件が夫妻の家庭内のトラブルによるもので、パースケールは口論の途中でピストルに弾薬を装填しようとしていたと報じている。妻のキャンディスは隣家に逃げて、911に緊急通報を行い、担当者に「自宅から銃声が聞こえた」と話した模様だ。
彼女はまた、夫が過去2週間に渡って「ストレスアウト」していたことや、飲酒していたこと、PTSDに苦しんでいたこと、さらに自宅に銃のコレクションを持っていたことを現地のフォートローダーデール警察に話した。
緊急通報を受けて現地には警官とSWAT部隊が到着し、パースケールを自宅から呼び出そうとしたが、彼はそれに応じなかったという。その後パースケールの友人を自称する警察官のクリストファー・ウィルソンが説得を行なった結果、パースケールは家から出て拘束された模様だ。
サン・センティネルの記事によると、現場に急行したティモシー・スキャッグス巡査はパースケールの話しぶりが酒に酔ったようで、泣いているように見えたと報告書に記入したという。
警察が公開した警官のボディカメラの映像には、ビールを持って上半身裸で自宅から出てきたパースケールに、警官がタックルする瞬間が収められているが、その際に彼は銃を所持していなかったように見える。
トランプを勝利に導いた男の転落
ブラッド・パースケールが自宅で自殺を図った後、病院に収容されたというニュースが報じられたのは、9月27日の日曜日の夜のことだった。パースケールは2016年の大統領選でドナルド・トランプのデジタル戦略(特にフェイスブックの広告戦略)を指揮し、トランプ政権の誕生に寄与した人物として注目を集めた。
彼は2018年2月に、トランプの再選キャンペーンのマネージャーに昇格したが、今年6月にタルサで開催されたトランプの選挙集会の来場者数が、わずか6000人という悲惨な結果に終わった件の責任を問われ、降格させられていた。
報道によると、タルサの選挙集会が不入りに終わったのは、数万人のTikTokユーザーやK-POPファンらが、集会を妨害する目的で偽の電話番号を用いて席を予約したためだとされている。