シネワールドは昨年の上半期には21億ドルの売上をあげ、1億4000万ドルの税引前利益を記録したが、今年の上半期の売上は7億1200万ドルまで減少していた。
同社は今年3月に米国と英国、欧州、イスラエルで778の映画館を閉鎖していた。その後、各国の規制は徐々に解除され、7月末には米国(リーガル・シネマズとして運営)と英国の劇場の大部分の561館を再開させていた。
「新型コロナウイルスの将来的な影響について予測することは不可能だ」と同社は声明で述べた。シネワールドの株価は9月24日午前中に13%以上の下落となった。
「各国の政府が規制を強化し、当社が劇場の閉鎖に踏み切らねばならない場合、業績にはさらなるマイナスの影響が及び、追加の資金調達の必要に直面する」と、同社の声明は続いていた。
映画館は、パンデミックによる最悪の打撃を受けたビジネスの一つとなった。今年は複数の超大作映画の公開が数カ月延期され、最近ではディズニーの「ブラック・ウィドウ」の公開が延期されたが、映画館は閉鎖されたままであったり、限られたキャパシティで運営されている。
シネワールドによると、映画業界でここ最近の唯一の明るい話題といえるのが、クリストファー・ノーラン監督の「テネット」の好調ぶりだという。このアクションスリラー映画は、世界でこれまで約2億5000万ドルを稼ぎ出した。
シネワールドは世界で約3万7000人を雇用しているが、3月には英国の従業員240人を解雇したと報じられた。