経済・社会

2020.09.21 06:00

パンデミックの影響で急な変化も、米国住宅市場の好不調に地域差

住宅購入に最適な全米都市総合ランキングでトップのアイダホ州ボイシ(Photo by Alden Skeie on Unsplash)

金融サービスサイト「ウォレットハブ(WalletHub)」はこのほど、不動産市場が好調な全米都市ランキング2020年版を発表した。規模が異なる300都市を対象に、住宅市場の魅力と景気をめぐる主要な24指標について分析したものだ。

ウォレットハブのシニアアナリスト、ジル・ゴンザレス(Jill Gonzalez)によると、3月時点の状況を考えれば、多くの市場が現在好調であることは驚きだという。

ウォレットハブが300市場を比較した結果、住宅購入に最適な全米都市総合ランキングでトップ5に入ったのは、アイダホ州ボイシ、ワシントン州シアトル、テキサス州フリスコ、テネシー州ナッシュビル、アリゾナ州ギルバートだ。ボイシは、住宅購入に最適な都市ランキングの常連都市で、質のいい暮らしを送れる上に、手頃な価格で住宅が買える。住宅価格の中央値は現在34万1449ドルだ。寝室4部屋に適度な大きさの庭があり、即入居可能な家族向け住宅は36万9000ドルで売り出されている。

調査結果は、さらに詳しく16のカテゴリーに分類されている。「売却までの平均日数が最短の都市ランキング」で1位だったのは、カリフォルニア州バークレーだ。それに続き、同州サンフランシスコ、バーモント州アレキサンドリア、ワシントン州ベルビュー、同州レントンがランクインした。

たとえばベルビューでは、120万ドル出せば、敷地面積8712平方フィート(約809平方メートル)、延べ床面積3090平方フィート(約287平方メートル)で、寝室4つと広々としたデッキがある、即入居可能な住宅を手に入れられる。一方、バークレーではベルビューほどの家は買えない。敷地面積2822平方フィート(約262平方メートル)、延べ床面積1986平方フィート(約185平方メートル)の住宅が現在、142万5000ドルで売りに出されている。

買い手の立場なら、交渉次第で安く住宅を購入できる可能性が高いのが、「売却までの平均日数が最長の都市ランキング」に入った都市だろう。上位には、ニューヨーク市やフロリダ州マイアミ、ニューヨーク州ヨンカーズ、ニュージャージー州パターソン、フロリダ州マイアミビーチが並んでいる。

たとえば、マイアミビーチでは住宅がなかなか売れていない。レイクビュー地区にある広さ2311平方フィート(約215平方メートル)の「アールデコ風のシックな家族向け住宅」は8月5日に5万ドル値引きされ、120万ドルで販売中だ。この物件は、売りに出されてから200日近く経過している。

住宅購入を検討している複数の人たちに話を聞いたウォレットハブのゴンザレスによれば、「住宅ローンが超低金利であるため、地域によっては、今が住宅を買う絶好のチャンスだ」という。
次ページ > 住宅価格中央値の上昇率が最も大きい都市は?

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事