グーグルやアップル、アマゾン、マイクロソフト、ズーム、フェイスブック、ネットフリックスなど一部の巨大ネット企業の事業は悪影響を受けなかった一方で、「必須ではない」とみなされた事業は営業停止や大幅な規模縮小を余儀なくされた。その影響として、数千万人の米国人が失業手当を申請し、JCペニーやハーツ、ニーマン・マーカス、ピアワン、ブルックス・ブラザーズ、Jクルーなどの大企業が破産保護を申請した。
「勝ち組」企業の最高経営責任者(CEO)や役員、大株主がさらに大金を手にした一方、大半の家庭は経済難を乗り切るための3カ月分の蓄えすらない。家賃や住宅ローンの支払いができず、立ち退きの危機に直面している人もいると報じられている。
失業中の数百万人の米国人が職探しする中で、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOの純資産は7月20日、130億ドル(約1兆3800億円)増加した。ブルームバーグによると、これは個人純資産額の1日での増加幅として史上最高記録だ。
英紙ガーディアンによると、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、ウォーレン・バゲット、ラリー・エリソンの富豪5人は、新型ウイルスが猛威を振るった3月18日から6月17日の間に、保有資産を合計1017億ドル(約10兆8000億円)増加させた。
テスラ共同創業者のイーロン・マスクの保有資産額は今年3倍以上に膨れ上がり、その額は現在890億ドル(約9兆4600億円)余りだ。英ロイター通信によると、マスクは7月、テスラ株の上昇を受け、史上最大の21億ドル(約2200億円)相当の報酬を手にする権利を得た。これは5月以降2回目の巨額報酬だ。
富を得て億万長者になることは素晴らしいことであり、まさにアメリカ的な生き方だ。米国は、ゼロから這い上がったり、他の国から移住してきたりして大きな成功を収められる数少ない国の一つだ。ベゾスやマスク、グーグルやアップルの創業者といったテック業界の大物らは、消費者の利益になるサービスや商品を提供し、私たちの生活をより楽にしてくれている。
問題なのは資産そのものではない。少人数が多大な富や権力、政治的コネ、支配権を握っている一方で、多くの人がギリギリのところで生活を送っていることだ。