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誰が「ポスト安倍」の座に着くのか注目が集まっている(Getty Images)

約8年におよぶ長期政権を率いてきた安倍晋三首相が8月28日、体調などを理由に辞意を表明し、誰が「ポスト安倍」の座に着くのか注目が集まっている。

石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長に続いて、有力候補の一人である菅義偉官房長官は9月2日、自民党総裁選への出馬を表明した。新型コロナウイルス対策を最優先課題と位置付けた上で、経済政策に関しては「アベノミクスをしっかりと責任持って引き継いで、さらに前に進めていきたい」と明言した。

消費税増税の影響が残るなかで、新型コロナ危機による経済収縮が直撃し、日本経済は深い景気後退局面に入った。そんな中で、これから日本は経済の舵をどのように切っていくべきなのか、もう一度見直すべき時期に来ているのではないだろうか。

「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の「3本の矢」を標榜し、安倍政権の代名詞であった「アベノミクス」について、海外の主要メディアはどう報じたのか。安倍首相の辞任表明以降の報道をまとめた。

ブルームバーグ アベノミクスは「途中まで成功」


米の金融メディアであるブルームバーグは「Abenomics Era Ends With Japan’s Economy Back at Square One」のなかで、アベノミクスは「途中までは成功」と評価した。

黒田日銀総裁のもとで行われた超低金利政策と国債買い入れにより、長年のデフレからの脱却を果たすなど、アベノミクスは当初は成功していたと評価。また、消費意欲を高めるために、労働者の賃金上昇に積極的に取り組んだ点なども功績だとした。労働力の高齢化が進む中で、景気は緩やかながらも拡大を続け、観光業も円安や規制緩和に助けられ好況であったと振り返った。

しかしながら、インフレ率を目標の2%まで押し上げるには至らず、2016年の日銀によるマイナス金利政策の採用を転機に、金融緩和の影響も弱まっていったと分析。また、2019年10月に行われた2度目の消費増税については「非常にタイミングが悪かった」と指摘した。増税後にすぐさま大規模な台風が発生し、さらにその後、新型コロナ危機にも見舞われ一転して不景気に。約8年間のアベノミクスの時代が終わり「日本経済は振り出しに戻った」と総括した。

「今後の課題は、次期首相がアベノミクスの残りの改革課題に取り組めるかどうか。また、日本をデフレから一挙に脱却させることができるかどうかである」と述べたゴールドマン・サックス証券のキャシー松井副会長の言葉を紹介し、次の展開を注意深く見守る必要があることを示した。

文=渡邊雄介

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