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2020.09.29 16:00

人は、社会は、データでより働きやすく、より生きやすく変わることができる──ウイングアーク1stが掲げる「UPDATA」というビジョン

ウイングアーク1st代表取締役社長兼CEO 田中 潤

データ──その存在が、これほどの重みを持っている時代は、かつてなかった。新型コロナウイルスの感染状況の把握から企業の経営判断に至るまで、大量のデータを的確・迅速に分析することが今や不可欠であり、データは重要資源となった。そのデータの新たな活用によって人の働き方・生き方、ひいては日本という国のあり方まで変えようとしているテクノロジー企業がウイングアーク1stだ。データの力で人をアップデートするという想いを込めた「UPDATA」をビジョンに掲げる同社の代表取締役社長・田中 潤に話を聞く。


データ活用でイノベーションを引き起こす


「当社のビジネスはBtoBで、企業にソリューションを提供している会社ですが、真のテーマは、働く人のエンパワーメントです。人がデータを使いこなすことによって大きな価値を生み出す、そのためのテクノロジーを開発する。それがウイングアークのミッションだと考えています」

このように語る代表取締役社長・田中 潤によれば、ウイングアーク1stは、1993年に前身企業の一部門として事業をスタートさせたときから、「データをユーザーにいかに有効に使ってもらうか」にフォーカスしてきた。創業以来の中核事業は、デジタル化されたデータを、わかりやすく使いやすい形で紙やPDFなどにアウトプットするための帳票関連ツールの開発だ。

ビジネスで扱われるデータの量が急増するのを受け、2001年に「Dr.Sum」をリリース、データベースの集計・検索・分析ツールが基幹製品に加わった。11年に田中自らが開発・設計を手がけた「MotionBoard」シリーズを発売して以降は、データの可視化も得意分野となり、データ・ハンドリングにおけるクラウドの開発にも注力。『日経コンピュータ(日経BP発行)』誌にて発表された「日経コンピュータ2020年9月3日号 顧客満足度調査 2020-2021」データ分析・利活用支援ソフト/サービス部門において、ウイングアーク1stが1位を獲得している。また、その成果として2020年3月にはデータと人、システムとシステムとをコミュニケーションで結びつけるプラットフォーム「DEJIREN」をリリースしている。


『日経コンピュータ(2020年9月3日号/日経BP発行)』誌にて発表された「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2020-2021」データ分析・利活用支援ソフト/サービス部門において、ウイングアーク1stが1位を獲得

「データそのものはダイヤの原石。どれだけ膨大なデータがあっても、使いこなせて初めて価値が生まれるんです。どんどん生み出されて蓄積されていくデータを、探して、見渡して、わかって、使えるようにユーザーを手助けする。当社は創業以来ずっと、これに取り組んできました。それは帳票ツールオンリーの時代からDEJIRENを展開する今まで変わっていません」(田中)

ウイングアーク1stがデータの活用にフォーカスし続ける理由、それは、正しく使われるデータがものごとの実態を明確に映し出し、進むべき道を的確に示唆すること、データの持つ大きな力が人や企業に力を与え、人や企業をいい方向に変化させていくことを熟知しているからだ。

「データを使いこなせれば、イノベーションを起こせることを経験し、自らも変化してきた」という田中は、次のように明かす。

「かつては、たとえばデータの活用で業務が大幅に効率化できるとわかっていても、なかなか取り組めない企業が少なくありませんでした。日本企業には長らく、変わることへの恐怖があったけれど、ここにきてようやく、変わらないことへの恐怖が広がってきている。コロナ危機という要因が飛び込んできたことで、その動きはさらに加速しています」

変わらなければいけないときだからこそ、データの重要性はさらに高まっている。それは個人から企業、国家に至るまで変わらない。



「全人類上司化計画」で働き方を変える


田中は最近、機会があるごとに、あるミッションを声高に唱えている。それが実現すれば、労働時間の削減を実現させながら所得は減らず、AIに仕事を奪われる恐怖は消え、人手不足の解消につながり、少子化もストップし、日本はもっと働きやすく生きやすい国に変わる……

すべてのビジネスパーソンがテクノロジーを自在に操ることで意思決定者になることを目指すミッション。名付けて「全人類上司化計画」だ。

「テクノロジーにできる業務はテクノロジーに任せて、人は人にしかできない業務に集中する。いわば仕事をする人が全員、ロボットを部下に持って上司になり、部下をうまくマネジメントして、いい結果を追求していくというイメージです」

オフィスのデスクの前に自分が何時間座っていたかではなく、部下のロボットにどれだけ多くの成果を挙げさせることができたかで評価と給与が決まる。そうなったときに起きる変化は、個人の働き方が変わって企業の生産性が向上するだけにとどまらない。時間と給与、そして精神の面で余裕が持てるようになれば、パートナー同士が長時間共稼ぎをして子ども1人を育てるのが精一杯という現状も変わり、少子化さえ解消できる。

この「全人類上司化計画」の思想は、ウイングアーク1stの最新プロダクトであるDEJIRENのコンセプトに如実に表れている。

「これまでの日本企業では、事業ごと、業務ごとにシステムが組まれていて、システムとシステムの間は人がつないでいるというケースがままありました。DEJIRENはこの人がつないでいる部分を、デジタルで結びつけるプロダクトです」

企業の内部に蓄積されながら、複数のシステムに分散し、活用されないまま眠らされているデータ。いわば中途半端なデジタル化によって細切れになったり可視化されずにいるデータを統合し、一体化した資源にまとめあげることで、企業総体としてのDXを促進するのがDEJIRENだ。この名称も、情報活用の3大要素とされる「伝達・自動化・連携」から生み出された。

ここで重要なのは、DEJIRENではシステム連携による業務を、チャットボットを相手に言葉で進められること。複雑なBIソフトを操作するのではなく、まさに上司が部下にチャットで伝える感覚で指示できるのだ。チャットボットは業務プロセスをデジタル化したもので、指示したルールから逸脱し自分だけでは処理できないケースが出てくれば上司に判断を求めてくる。さらにその上司が分からないことは外部の専門家にヒアリングまでしてくれるという、いわゆる“できる部下”だ。



「優秀な部下は、おおよその指示を出せば気をきかせて業務をきちんとやってくれるじゃないですか。誰でも優秀な部下を持てるテクノロジーを目指して開発したのがDEJIREN。チャットで使えるようにしたのも、人にとって一番やさしいインターフェイスが言葉だからです」

どんなに優れたシステムをつくっても、それが組織内で浸透し、活用されなければ何の変化を生むこともできない。目指すのは、今では生活に欠かせない存在になった交通系ICカードのような、「習熟を必要とせずに誰もが使いこなせるテクノロジー」だ。

こうした考え方はすべて、人のため、世のための変化を起こす製品、つまりイノベーションを引き起こす製品こそが賞賛されるべきものである、というウイングアーク1stの考え方を物語っている。

ビジネスの「当たり前」を変えるなら、まず己から


このようにデータを活用することで、人の働き方を、生き方を、もっと豊かなものにしたいという同社の想いを集約したメッセージが、冒頭で紹介した「UPDATA」だ。

ビジネスの世界では、属人的な「経験則」に頼って判断をしていることが今でも少なくない。だが、そのようにして判断に時間をかけること、あるいは間違った判断により無駄な資金や時間が遣われてしまうことは大変な機会損失だ──田中は、そう考える。簡単かつタイムリーに必要なデータを参照し、誰もが判断を下せる状態を実現させることを、彼が目標に掲げるのはそのためだ。

「通販サイトや商品評価サイトなどコンシューマー向けの世界では、他人のレビューなど、すでにさまざまなデータを参照できる環境が整っていて、意思決定にも活用されているじゃないですか。これを、ビジネスでも実現させなければいけない。今の当たり前が、当たり前ではなくなる世界を早くつくっていかないと。」

そんな使命感にも似た想いが、この「UPDATA」には込められている。

一方で田中は、世の中を変えていくためには、まず自分たちが変わることが必要だとも認識している。たとえばウイングアーク1stでは、国内トップレベルの開催数を誇っていたリアルのイベントを、今年度はすべてオンラインへ移行。社員もほぼ全員がフルリモートで勤務するようになった。「UPDATA」の第一歩を、すでに自ら踏み出しているのだ。

テクノロジー企業の経営トップという立場にある田中に、あえて個人としての将来のビジョンを尋ねてみても、「ゆくゆくは、社会を変えようとしている挑戦者たちを支援する側に回りたい」という答えが返ってくる。人を、企業を、日本を、いい方向へと変えていきたい。そう心から願う田中の率いるウイングアーク1stが、人を、企業を、社会を「UPDATA」していく取り組み。それは、新たな日常をつくり出していくうえで、ひとつの希望になるだろう。



▼ Forbes JAPAN × ウイングアーク1st連載「UPDATA」



本記事#1|人は、社会は、データでより働きやすく、より生きやすく変わることができる──ウイングアーク1stが掲げる「UPDATA」というビジョン
公開中#2|エンジニアの能力を引き出し、その熱量と技術を信頼する ウイングアーク1stの開発力を高めるCTOの想い
公開中#3|チームと製品への信頼を原動力に、 ビジョンの達成へと歩を進める ウイングアーク1st最前線のあゆみとこれから
公開中#4|真摯に社会課題と向き合い、好奇心を原動力にテクノロジーを進化させる、ブレないウイングアーク1stのDNA


Promoted by ウイングアーク1st / photograph by 西川節子 / text by 岡田浩之