ベストセラー作家、北野唯我氏は、20万部突破の前作『転職の思考法』では書けなかった「本質」を新刊『これからの生き方。自分はこのままでいいのか? と問い直すときに読む本 』でこう問う。
北野氏は就職氷河期に博報堂へ入社し、ボストンコンサルティンググループを経て、ワンキャリアに参画。現在は同社取締役としてさまざまな領域を統括している。こうした豊富な経験を活かし、これまで著書『転職の思考法』、『オープネス』、『天才を殺す凡人』などで自身のノウハウを公開してきた。
今回の新刊では、コロナ禍で気づかされた自分の働き方への疑問や、会社との関わり、職場での人間関係の悩みなど、仕事のスキルより大事な「働く意味」について、漫画も用いて分かりやすく問いている。
北野唯我氏
以下、北野氏によるForbes JAPAN読者のための書き下ろし寄稿でお届けする。
カルチャーだけでは、人が統一されない理由
「せっかく給与をあげてやったのに、人が辞めた」
「若い奴が、どんどん離職する。しかも優秀なやつから」
という悩みは、現代のビジネスリーダーや、特にエンタープライズ企業の経営者の方なら、一度は悩んだことがあるテーマではないでしょうか。実際、私もそうやって悩む経営者に相談されたことがあります。
特に、いわゆる、ミレニアル世代、Z世代と呼ばれる今の10代〜30代層の人たちは、「給与だけではない、やりがい」のようなものを強く求めている、と言われます。
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昭和時代を駆け抜けてきた人からすると、「嘘つけ。そんな戯言を」と思うかもしれません。しかし、実際に私が普段接する20代の人と話すと、ほとんどの若者が「お金以外のもの」も求めていることがはっきりわかります。
いわゆる、現場は答えを知っている、というやつです。
では、彼ら、彼女たちは何を求めているでしょうか? あるいは、どうすれば、そんな彼らを率いて強い組織、強い事業を作れるでしょうか?