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──商社を辞めて起業することになります。きっかけは何でしょうか?

決して商社が嫌で辞めた訳ではありません。ただ、挑戦と変化と成長を渇望していました。ロシアには通算で5年いたのですが、時々、日本に帰ってきていました。その時、ALAPAというトライアスロンのチームに入ったのですが、そこには、ドクターや弁護士、起業家といった商社では通常あまり出会わない方々がいました。そこで多くの考え方に触れることになり、私自身の幸せ、成功の定義を考えるようになりました。

このまま商社パーソンで行くのか、随分と考えました。そうした中での、本田直之さんとの出会いがありました。本田さんの著書はロシアの山小屋でも読んでいたのですが、2010年に石垣島でトライアスロンがあったときに奇跡的にレース会場でお会いしました。それをきっかけになおさん(本田さん)から、いろんなご紹介や出会いをいただけるようになって、より、幸せ・成功の定義について考えるようになりました。

その結果、自分の考える自由を得ることが大切だと気付き、それを得るための選択肢が起業だったというわけです。


トライアスロンでのゴールの瞬間:裙本理人提供

再生医療を選んだのは?


さきほどお話した「原木輸出税が80%になる」話と直結しています。制度変更をチャンスに変える商社の考え方です。日本では、2014年に再生医療法が新設されることになり、内容を読み込み、理解を深めました。そして、同法が施行されることよってビジネスが生まれると直感したんです。

再度トライアスロンの話になりますが、同じチームにドクターの山川雅之さんもいました。山川さんから、医療業界、再生医療のポテンシャルを聞きました。そして、医療における理想と現実のギャップについても知り、更にビジネスチャンスがあると思いました。

また、同時に、再生医療というビジネスには経済活動を通じて社会に貢献できるという、社会的意義もあると感じたのです。セルソースは利害関係のないトライアスロンの出会いから生まれた稀有なベンチャーだと思っています。

後編に続く)



裙本 理人(つまもと まさと)◎セルソース株式会社 代表取締役社長CEO。1982年生まれ、兵庫県出身。2005年神戸大学発達科学部卒業。2007年ロシア サンクトペテルブルグ大学 留学。住友商事株式会社を経て、2015年セルソース株式会社を設立し代表取締役に就任。2019年に創業3年11ヶ月で東証マザーズに上場。



インタビュアー:曽根 康司(そね こうじ)◎株式会社キャリアインデックス執行役員、社長室長。慶應義塾大学法学部政治学科卒。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程EMBAプログラム在学中。原宿と下北沢で時計店を経営したのち、インターネット業界に飛び込む。アマゾンジャパン株式会社、ヤフー株式会社を経て、現職。「焼肉探究集団ヤキニクエスト」メンバーでもあり、全国数百件の焼肉店を食べ歩いている。

取材・文=曽根康司 撮影=帆足宗洋 編集=石井節子

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