3人の中で最大規模の売却を行ったのがアリババの共同創業者で、昨年秋に同社の会長を退いたジャック・マーだ。マーはアリババが香港市場に二重上場を果たした昨年11月時点で6%のアリババ株を保有していたが、現在の持ち分は4.8%まで減少している。
フォーブスは現在のマーの保有資産を488億ドル(約5.2兆円)と試算している。アリババは、マーの株式の売却の時期や売却数についてのコメントを控えた。
ニューヨーク市場におけるアリババの株価は、マーが6%を保有していた昨年11月以降に41%以上の上昇となっている。フォーブスは過去9カ月間のアリババ株の平均価格をベースに試算を行ない、マーが放出した同社株が約50億ドル相当であると推定した。
アリババ副会長のジョセフ・ツァイも、同期間に持ち分を1.9%から1.6%に減らし、約14億ドル相当のアリババ株を売却していた。台湾出身のツァイの保有資産は現在、129億ドルと試算されている。
起業家が自社株を売却するのは珍しいことではないが、マーとツァイの動きは他の中国のテック関連のビリオネアたちの動きと重なっている。実際、中国のトップ富豪5人のうち3人が昨年11月以降に、持ち株を売却しているのだ。
7月上旬に、格安Eコマースプラットフォームのピンドゥオドゥオは、同社代表のコリン・ファンが、米ナスダック市場に上場する同社の株式を移転させ、持ち分を44.3 %から29.4%に減らしたと発表した。
さらに、テンセント創業者のポニー・マーも、今年に入り8億1500万ドル相当の同社株を売却している。フォーブスは中国1位の富豪であるマーの保有試算を現在618億ドルと試算している。
香港中文大学教授のJoseph Fanは「彼らが運営する企業はさらなる成長ポテンシャルを秘めている。しかし、創業者による持ち分の売却は、彼らが現状の株価を過大評価とみなしている可能性を示している」と述べた。