ビジネス

2020.07.23

アリババら中国企業3社のトップが「自社株売り抜け」の見方

ジャック・マー(Chesnot/Getty Images)


深センの調査企業Blue Lotus CapitalのShawn Yangは、株価の上昇の背景には米国政府による経済刺激策があると指摘した。投資家らは余った資金をパンデミック後に急成長を遂げた企業に注いでいる。

ピンドゥオドゥオの株価は今年に入り2倍以上に伸びた。アリババ株も16%の上昇で、テンセント株も45%の値上がりとなっている。

ピンドゥオドゥオの売上は、今年第1四半期に同社の6億2800万人の会員がEコマースに押し寄せた結果、44%の増加となった。しかし、一部のアナリストは同社の今後に懸念を示している。

ピンドゥオドゥオは急落の可能性


「ピンドゥオドゥオのビジネスモデルは持続性が懸念され、同社はまだ黒字化を果たしていない。創業者のファンは、株価が急落する前に売り抜けようとしているのかもしれない」と、香港のアダマス・アセット・マネージメントのBrock Silversは述べた。

ピンドゥオドゥオの広報はコメントを避け、7月1日のファンの声明を参照するように述べた。ファンと同社の創業チームは、ピンドゥオドゥオの株式の2.4%を慈善基金に移動させ、ファン自身も持ち分の7.7%をその基金に移し、科学分野の研究や社会活動を支援していくと宣言していた。

フォーブスはファンの持ち分の減少を考慮に入れ、現在の彼の保有資産を291億ドルと試算している。ファンは現在、中国で5番目の富豪となっている。

投資家は中国のテクノロジーセクターを過大評価しているのかもしれないが、中国の主要なテック企業には、今後のさらなる成長可能性があると、Blue LotusのYangは指摘した。テンセントは、海外でのゲーム事業を拡大させ、パンデミック後に自宅にこもりがちになった消費者たちから収益をあげるだろう。

一方でアリババは今後も中国でのEコマースの覇権を維持する見通しだ。ピンドゥオドゥオのような新興勢力が台頭しても、アリババは高いクオリティの品揃えで競合を圧倒している。アリババは特に、アパレルや化粧品分野で他社の追随を許さないと、Yangは話した。

編集=上田裕資

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