第2四半期の好成績は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の従業員向けメッセージの流出により発表前から予想されていた。発表後、テスラの株価は急上昇し、時価総額はついにトヨタを抜き自動車メーカーで世界首位となった。
テスラがここまでこられたのは、他の自動車メーカーとは全く異なり、テクノロジー企業に近い会社であることが大きい。同社の株価はわずか1年の間に5倍にも上昇しており、CEOが立てた業績・利益予想を同社がそのまま達成し続けている事実がなければ、単なるバブルとしか見られないかもしれない。テスラはもはや「もうけの出ない企業」ではない。
テスラは今や、あまりにも長い間のろのろと消極的にイノベーションを進めてきた自動車業界を率いる存在となった。「この会社やあの会社がそのうち挽回するだろう」と言っていた人々は今、自分の子ども部屋に飾っていた自動車メーカーがテスラの台頭により取り残される状況を目の当たりにしている。テスラの技術は今や、競合よりも6年先を行っている。
テスラのモデルSは、米環境保護庁の試験で400マイル(643キロ)以上の航続距離を唯一実現している電気自動車だ。同社はバッテリーの持続時間に関する根拠のない懸念を払拭。さらに、ユーザーにとって非常に魅力的な商品モデルを提供し続けている。それは、従来の自動車が購入時後に変わることがない一方で、テスラ車はソフトウェアの更新を通じて性能を大幅に改善することができるということだ。
ディーゼル車やガソリン車よりも性能に優れ、運転がより楽しく、魅力的な電気自動車の開発に成功したテスラの成長は、誰にとっても喜ばしいニュースだ。テスラは単に電気自動車のブームに乗ったのではなく、ブームを作り出した。
石油業界の主張とは裏腹に、電気自動車は充電に使われる電力や電気自動車自体の生産方法がどんなものであったとしても、街に1台増えるごとに環境が改善され、大気汚染が低減される。自動車の未来は、電動、自動運転、シェアにあるが、そこにたどり着くまでは、できるだけ多くの内燃機関自動車を電気自動車に置き換えていくことが、皆のためになるのだ。