コーセラの累計調達額はこれで4億6400万ドルに達した。
新型コロナウイルスのパンデミック後にオンライン講座の需要は急激に高まった。コーセラのCEOのJeff Maggioncaldaは「受講の申込件数は前年同期比で5倍に伸びた」と述べている。
今回の調達ラウンドはNEAが主導し、物議を醸す株式取引アプリのロビンフッド(Robinhood)も参加した。他の出資元としてはクライナー・パーキンスやG Squaredらも参加した。
コーセラは2018年のフォーブスの次世代スタートアップ(Next Billion-Dollar Startups)に選出されていた。カリフォルニア州マウンテンビュー本拠の同社は、スタンフォード大学のコンピュータ・サイエンス教授で創薬ベンチャー「Insitro」の創業者でもあるダフニー・コラーと、アンドリュー・エンらによって2012年に創設された、MOOC(Massive Open Online Courses)と呼ばれる巨大なオンライン講座のプラットフォームを運営している。
スタンフォード大学やジョンズ・ホプキンス大学の講師陣の講義をオンラインで届けるコーセラは、動画の多くを無料で公開しているが、近年は課金も開始した。コーセラにはイェール大学やデューク大学、ミシガン大学なども参加している。
現在の講義数は4500を突破し、提携する大学は160校にのぼっている。さらに、グーグルやIBMを含む40社の企業も、講座を開設している。コーセラの有料クラスの受講料は49ドルからで、全ての講座が受講できる通年サブスクリプション費用は399ドルとなっている。
最も人気の講座の一例としては、ミシガン大学の講師らによるPython言語のプログラミング講座や、ジョージア工科大学の講師による「プロフェッショナルのための英文Eメールの書き方講座(Write Professional Emails in English)」などが知られている。
グローバル展開を加速へ
コーセラCEOのMaggioncaldaは、パンデミック後にオンライン学習を余儀なくされた学生らの支援を思い立ったという。彼は6月に世界の大学生に無料でオンライン学習を提供する場であるCoursera Campus Response Initiativeを立ち上げた。このプラットフォームは既に、140万人の学生らが利用中だ。
また、今後は収益化にも注力し9月から1学生あたり250ドルから400ドルを課金する有料講座も新設する。このプログラムには各国の大学からの申込みが殺到しており、インドのマニパル高等教育アカデミーは既に約2万人の学生を集めている。
コーセラは企業向けの講座にも注力を進め、製薬企業のノバルティスやアドビを含む2500社が利用中だ。フォーブスは同社の2018年の売上が1億4000万ドルで、昨年は2億2500万ドルに伸びたと推定している。
Maggioncaldaは新規で調達した資金を、グローバル展開の拡大に注ぎ、現在600人から700人規模の社員数を、さらに100人以上増員したい考えだ。