テスラ株は今週だけでも17%上昇している。6月29日には終値が初めて1000ドルを突破。7月1日には過去最高値となる1135ドルを付けた。
一方、これまで時価総額が世界1位の自動車メーカーだったトヨタ自動車の株価は1%以上下落し、同社の時価総額は2030億ドル(約21兆8000億円)となった。
他の自動車大手の時価総額は、フィアット・クライスラーが200億ドル、フォードが240億ドル、フェラーリが320億ドル、ゼネラル・モーターズ(GM)が360億ドル、BMWが410億ドル、ホンダが460億ドル、フォルクスワーゲンが740億ドルとなっており、テスラの時価総額はこうした競合の多くを合わせた額を上回っている。
ただテスラは時価総額ではトヨタを上回ったものの、他の主要指標では後れを取っている。2020年第1四半期の生産台数はテスラが10万3000台だったのに対し、トヨタは240万台だった。ファクトセットのデータによると、負債を加味した企業価値はトヨタが2900億ドルであるのに対し、テスラは2520億ドルだ。
ウォールストリートのアナリストの多くは、テスラ株が大幅に過大評価されている可能性について警告している。コーウェンのジェフリー・オズボーンは6月30日の顧客向けメモで、同社は「テスラ株については引き続き慎重姿勢」だとし、テスラ株にアンダーパフォームのレーティングを付けた。モルガン・スタンレーのアナリストらも同様にアンダーパフォームのレーティングを付け、投資家の多くが自動車企業運営のリスクを無視し、テスラをまるで高成長テック企業のように扱っていると警告した。