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2020.11.03 12:00

ミシュラン史上初の一つ星ラーメン店「蔦」、サンフランシスコでも連日長蛇の理由

「Japanese Soba Noodles 蔦」店主 大西祐貴氏(写真提供:Japanese Soba Noodles 蔦)

「Japanese Soba Noodles 蔦」店主 大西祐貴氏(写真提供:Japanese Soba Noodles 蔦)

あなたが世界で一番美味しいと思うラーメン店はどこだろう? おそらく日本のどこかの、決して清潔とは言えない狭い店か、夫婦や家族で切り盛りする小さな店といったところだろう。しかし同時に、こんなことを考えてはいないだろうか──。
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そんな店じゃなくて、栄えあるミシュランの星付き店のような、とにかく有名な”至高のラーメン店”があってもいいじゃないか──。

ところが現実は、今のところミシュランで星を獲得したラーメン店は世界で4つしかない。その4つともが日本にある。

Japanese Soba Noodles 蔦の信条「ラーメンに完成形はない」


4店のなかで最初に星を獲得したのは、東京の代々木上原にある『Japanese Soba Noodles 蔦』だ。店名の「蔦」は店主の大西祐貴氏の一族の家紋から、「Japanese Soba Noodle」には”ラーメンを日本が誇る料理にする”という思いが込められている。
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2012年に開店するとたちまち絶賛を浴び、2016年にはラーメン店ではミシュラン史上初となる一つ星を獲得した。星を獲得したことで名声を得た大西氏は、シンガポールや香港などアジア各地への出店も果たしている。

大西氏の最新店舗で、アメリカにおける第一号店『Japanese Soba Noodles Tsuta』は、サンフランシスコのショッピング&エンターテインメント複合施設「メトレオン」の一角にある。全50席のオープンキッチンスタイルのモダンテイスト溢れるジャパニーズラーメンレストランだ。昨年秋のオープン以来、一日300杯限定のラーメンを堪能しようと、現地のマニアが連日列をなす。

アメリカでは東京の本店並みのクオリティを提供できないのではないかと危ぶむ声も少なからずあったが、本店と同じ醤油と高品質の素材を使うことでその声を打ち消した。もちろんオープン時には大西氏も日本から飛んできて最初の数杯に腕を振るい、新店舗の上々の船出を確実なものにした。「ラーメンに完成形はない」と考える大西氏は、納得の一杯を作るべく日々、実験と研鑽に励んでいる。


写真提供:Japanese Soba Noodles 蔦(東京都渋谷区西原3-2-4 B1F)

本店と同じクオリティを実現


『Japanese Soba Noodles Tsuta』では本店と同じく、「醤油soba」と「塩soba」を提供している。蔦の代名詞となっている「醤油soba」は、黒トリュフのえも言われぬ香りが鼻腔をくすぐる。「塩soba」は鶏とアサリと魚介のトリプルスープを沖縄の海塩とモンゴルの岩塩で味付けし、香り高い白トリュフオイルとミントでアクセントをつける。「味噌soba」は徳島県の豆味噌を使った味噌ダレでコクのある濃厚な味にして、太めの麺を合わせて仕上げる。


写真提供:Japanese Soba Noodles 蔦

それぞれのラーメンには、ジューシーなチャーシューや日本のパセリとも言える三つ葉、柔らかくて歯応えのいい穂先メンマ、ネギ、グリーンオリーブのペースト、レッドオニオン、コーン、モヤシといったトッピングが華を添える。

大西氏のラーメン職人としての腕前と、氏の作るラーメンをさらに特別な一杯にしているものは何なのか、サンフランシスコの蔦のスタッフにいくつか質問をぶつけてみた。
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翻訳・編集=黒木章人/S.K.Y.パブリッシング 構成=石井節子

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