ビジネス

2020.07.03

ステルスモードから目覚めたイーロン・マスク最大のライバル

RJ・スカリンジ(37)が「自動車メーカーを立ち上げたい」と思ったのは、彼がまだ高校生のときのこと。その頃、想像していたクルマのイメージは、ガソリンで走るスポーツカーだった。

ところが2007年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の博士課程在籍中にその考えは大きく変わる。

「地政学や気候変動、大気汚染など、自動車が生み出す問題の数々に気づき、葛藤を覚えたのです」

そこで当初の計画を破棄し、テスラのような電気自動車の開発を目指すことにした。

それから13年、アマゾンやフォードによる大型出資もあり、スカリンジの夢が実現しようとしている。

09年に創業した電気自動車メーカー「リビアン」が今年、ピックアップトラックの「R1T」と、SUVの「R1S」の生産を始めるからだ。価格については、R1Tが6万9000ドル、R1Sは7万2500ドルを想定している。

まだ工場で生産ラインを準備中だが、スカリンジは自信を見せる。

「20年代半ばには、年間25万台製造できるようになりますよ」


RJ・スカリンジ◎米電気自動車メーカー「リビアン」の創業者兼CEO。マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得後、2009年にフロリダ州メルボルンでリビアンの前身となる会社を創業。19年には、アマゾンやフォード、T・ロー・プライス、コックス・オートモーティブから計29億ドルを調達。今年の後半からの生産開始を発表している。

文=チャック・タナート 写真=ジャメル・トッピン

この記事は 「Forbes JAPAN 5月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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