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2020.06.26 07:30

コロナで広告はどう変化? ゲッティイメージズやピンタレストの視点

新型コロナでNYのプライド行進は中止に。代わりに5番街のルイ・ヴィトンがレインボーに(Getty Images)

マーケティング、広告、テクノロジー等の分野の専門家が集まる世界最大級のイベント「Advertising Week」。毎年ニューヨークをはじめとして世界6都市で開催され、今年は東京でも開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響でアジアからオセアニアまでの地域にフォーカスしたバーチャル版「Advertising Week JAPAC」が6月9日、10日に開催された。

パンデミックによる変化の中で、世界で消費者の意識はどのように変化し、ブランドや企業はどのようなアクションをおこしていくべきなのか。パンデミック宣言以降は暗いニュースが多いが、グローバルに活躍する業界のリーダーたちが注目したのは、意外なキーワードだった。「ポストコロナ」の消費者意識を考える上で有益な知見に満ちたセッションを厳選して、ここに紹介したい。

多様性を映し出すビジュアルに注目が集まる


画像や映像などのデジタルコンテンツを世界中のクリエイターらに提供している企業「Getty Images」は、「新型コロナウイルスのパンデミックが再形成する新しい社会のビジュアル」をテーマにしてセッションを開催し、広告やビジュアルがコロナ禍においてどのように変化したかについて解説した。


新型コロナで働き方も多様化。子供の横でリモートで仕事をする風景も珍しくなくなった(Getty Images)

パンデミック宣言後の3月から4月は、「ソーシャルディスタンス」を表現した写真を用いて消費者の共感を集めるブランドが目立ったが、ロックダウン生活の経験値が溜まってきた5月には、工夫を凝らして自宅にて撮影が行われた広告や、イラストレーションを活用した広告のビジュアルが多くなっていったという。

このような傾向の中で特筆すべきは、以前から検索ワードとして注目度の高い「ダイバーシティ」が、コロナ禍でより重要視されている点だ。

コロナ禍をきっかけに多様化したライフスタイルは、広告などのヴィジュアル面にも反映された。多様な人種の人々がマスクをしているイラストをはじめ、勉強している子供の横でリモートで仕事をするお父さんやお母さんの画像や、男性が率先して家事や育児を行うイメージなどは、日本においても需要が高まり、検索数が多かった。

こうしたビジュアルへのニーズの変化を見ると、コロナショックにより大きく変わった私たちのライフスタイルがこれまで以上に多様化していることがわかる。これまでも、男性が率先して家事を楽しむ共働き夫婦を描く「パナソニック」のCMなどステレオタイプを変えるような広告が日本でも登場してきたが、ニューノーマル時代、ブランドのマーケティング活動は、ますます多様性を意識することが大切になるだろう。
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文=田辺敦子

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