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フォーブス ジャパン編集部 エディター


──やはり、「オンライン化」がキーワードのひとつになるのでしょうか?

オンライン化は今後のビジネスを考える上で、重要な要素のひとつになるのは間違いありません。開幕が延期している期間はSNSの発信も含め、オンラインでファンとのコミュニケーションに注力していきました。ただ、数年後にビジネスモデルを変えるとしたら、球場での観戦の仕方そのものをガラッと変える必要があるかもしれないので、そこはオンラインだけが答えだと思わずに、いろんな方法を考えていきたいですね。

観戦のオンライン化におけるファンのニーズを把握しにいくことも重要ですが、私たちが新たなニーズを創出していくことも重要です。

例えば、オフラインとオンラインをつなぐやり方もあるかもしれません。球場で声を出すことが飛沫感染のリスクになるのであれば、それを防ぐような観戦の仕方、声を出さずに盛り上がる方法を開発する必要があるでしょうし、隣との距離が気になるのであればボックス単位で座席を販売するなど、新たなスタイルを提案していかなければいけないでしょう。



仮にソーシャルディスタンスを保った状態で観戦する場合、座席数の半分も稼働させることができない。それでは、今までの球団経営の手法は立ち行かなくなってしまいます。

プロ野球の楽しみ方が変わってくる中で、一体何に価値を見出してもらえるのか。プレーや結果に対する一喜一憂が価値の根源であることは間違いありませんが、今までは30000人のお客さんと一緒に盛り上がる一体感や、応援歌を歌ったり、球場でビールを飲んだりすることも価値の一部だったと思います。

そういう行為が再び許されるまでにどれだけ時間がかかるのか、はたまた許される時が来るのかは分かりませんが、それがなくなって「プロ野球の楽しさが半減した」と言われないよう、さまざまな選択肢は考えた上で、いろんなカードを切れるようにしておきたいですね。

「観戦」以外でのタッチポイントを増やしていく


──シーズン前に企画していたイベントは多数が中止になりましたが、定番のイベント『YOKOHAMASTAR☆NIGHT』は開催の予定となっています。これも形を変えての実施となるのでしょうか?

『YOKOHAMA STAR☆NIGHT』も一体感の象徴だったと思います。みんなが同じユニフォームを着て、真っ青なスタンドで応援する。球団としては重要なイベントなので、今まで積み上げてきたものを簡単に捨てることはできません。今年に関しては今までの延長線上で考えていきながら、必要であれば新しい考え方を追加し、きちんと形にしていかなければいけないと思っています。ただ正直なところ、難しさはあります……(苦笑)。今までの『YOKOHAMA STAR☆NIGHT』提供している価値に見合う新しい価値を考えないといけません。



──昨年から、ビジターゲームのライブビューイングイベントを横浜スタジアムで開催されていますが、今年も開催の予定はあるのでしょうか?

そうですね。開催できる状況になったら、ぜひやりたいですね。とはいえ、現段階で首都圏はまず安全が第一で、その次のステップでお客さんに足を運んでもらえる。プロ野球を開催する以上、多少なりとも首都圏の中で人の動きを誘発することはあると思いますし、それに対して社会的責任を持つ団体として、まずは行政とコミュニケーションを取った上で段階的に活動していくのが私たちの使命だと思っています。

まずは比較的、イベント実施が許される状況のエリアで開催予定のパブリックビューイングの事例などを参考に、その学びを12球団の中で横展開し、安全に開催するためのノウハウを共有しあう。そうすることで、いろんな取り組みができるようになるのかな、と思います。

文=新國翔大

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