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2020.06.23 08:30

誰もが「世界に貢献する投資」を|私がこの起業家に投資した理由

LINE Venturesの木村正博とクラウドクレジットの杉山智行

LINE Venturesの木村正博とクラウドクレジットの杉山智行

杉山智行は2013年1月、インターネット経由で融資を仲介するソーシャルレンディングのクラウドクレジットを創業。日本の個人投資家と世界の資金需要者をつないでいる。運営ファンドは「メキシコ女性起業家支援ファンド」「欧州フィンテック事業者支援ファンド」など、世界中で展開。同社が14年6月以降、運用開始したファンド数は893本、累計出資金額280億円超にのぼる。経済的リターンと社会的リターンの両立を目指す「社会的インパクト投資」を積極的に行う。

木村正博がプリンシパルを務めるLINE Venturesは、18年9月に同社へ投資を行い、支援している。


木村:最初にお会いしたのは前職の新生企業投資で、共同運営をしていたフェムトグロースキャピタルを担当していた2014年頃。同VCの投資先の中でもっとも伸び代があるスタートアップ企業、起業家のひとりだと思っていました。

杉山:当時、最初の金融商品である南米ペルーのファンドのみだった時期。2カ月に1度、現地に自ら訪問して、ファンド組成を行っていました。いまでこそ四大陸、二十数カ国で展開していますが、当時は事業計画書で「世界中で」と説明してもなかなか理解してもらえない状況でした。

木村:杉山さんは、前職のロイズ銀行で、数千億円規模の金額を取り扱っていた人。一方で、当時は規模も小さかったペルーのファンドに関して、自ら組成しにいくというところも同居しているのが面白いなと。投資動機にも重なりますが、「活躍できる金額規模はどれくらいか見てみたい」起業家のひとりです。

私は、事業会社だから支援できる、バリューアップできる投資をしたいと思い、16年終わりからLINEに移りました。LINEという月間利用者数(MAU)8300万人のプラットフォーマーとして、いまはあまり知られていないけれど、多くの人がその価値を知ってくれることで、すごく伸びるポテンシャルを持つサービスに投資をしたいと思っています。クラウドクレジットはその象徴的な企業だと思います。
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文=山本智之 写真=平岩 享

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