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Photo by Chip Somodevilla/Getty Images

ミネソタ州ミネアポリスで警察官に拘束された黒人男性ジョージ・フロイドが死亡した事件を受け、米大統領選での民主党候補となる見通しのジョー・バイデン前副大統領の支持率が急上昇している。

人種差別に抗議するデモが全米に広がるなか、多くの人がドナルド・トランプ米大統領の人種問題への対応に厳しい目を向けており、5月29~30日に英調査会社ユーガブとYahoo!ニュースが米国の成人1060人を対象に行った調査では、トランプは「人種差別主義者だ」とする人が52%となった。

調査の結果では、バイデンの支持率は48%、トランプは40%だった。わずか1週間前(同月23~26日)の調査では、両者の支持率の差は3ポイントにとどまっていた。

トランプにとって特に大きな頭痛の種となっているとみられるのは、人種問題への対応だ。だが、それを引き起こしているのは自身の行動だといえる。フロイドの死を受けて抗議の声を上げる人たちに対し、「略奪が始まれば銃撃が始まる」などの攻撃的なメッセージを発信してきた。

調査では、トランプはツイッターへの投稿をやめるべきだと考える人が54%に上っている。また、回答者の半数近く(45%)が、ここ10年でこの問題を巡る状況は「悪化した」と考えており、「改善した」とみる人はわずか14%だ。

マイノリティーの支持拡大を目指していたが─


トランプは再選を目指し、マイノリティーの有権者の支持率を高めることに力を入れてきた。「最初の任期中に刑事司法改革を実現した」とするキャンペーン動画を公開。一方では、バイデンがラジオ番組で「私を支持しないなら、あなたは黒人ではない」などと発言、不興を買ったことに付け込み、若年の黒人男性層の票を増やそうとしてきた。

黒人有権者の間では従来、民主党の支持者が多かったものの、最近では共和党への支持が高まりつつあるとされていた。また、ヒスパニックの有権者の間でも、トランプの支持率は上昇していた。

だが、トランプのこれまでの選挙戦略は、新型コロナウイルスの流行とその打撃を大きく受けているのが非白人層に偏っていること、フロイドの死に対する国民の反応に向き合う姿勢によって、すでにつまずいた可能性がある。

ユーガブの調査では、米国内で広がるデモへの見方は分かれるものの、参加者たちが目指すものを支持するという人が大半を占めた。人種差別問題について、「警察官に対する研修を強化し、より厳しい説明責任を問うべき」との意見には80%以上が賛成。「容疑者を拘束する際、首を押さえつけることを禁止すべき」との意見には67%が賛同した。

抗議活動に参加する人たちの動機については、「警察の責任を問いたい一心」で参加しているのだろうとみている人が43%、「警察に対して長年、偏見を持っていたのだろう」と考える人が40%となっている。

1968年の大統領選では、国内で起きた暴動の後、法と秩序の重要性を訴えた共和党のリチャード・ニクソンが勝利した。こうした過去の例から、アナリストらの間には、今回も暴動はトランプにとって有利に働くとの見方もあった。だが、多くの米国人は現在の状況について、トランプ個人に責任があるとみているもようだ。

編集=木内涼子

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