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2020.05.29 12:00

新型コロナの広がり アフリカで少ない理由は?

Yassine Gaidi/Anadolu Agency via Getty Images

アフリカは、新型コロナウイルス感染症に関しては少なくとも今のところ、世界の他地域と完全に異なる道を歩んできたようだ。

世界保健機関(WHO)の最新データによると、アフリカ全体では5月27日の時点で約11万9000件の事例が確認されており、米イリノイ州と比べて5000件ほど多い。それと比べ、WHOによる南北米大陸での事例は約245万件で、欧州は約204万件だった。

大半の専門家は、アフリカでの感染者数の低さは同大陸の検査能力が非常に不十分であることが理由だと考えているが、アフリカではパンデミック(世界的大流行)の最悪の事態を免れたのではないかとも期待されている。

ウェブサイトのアワー・ワールド・イン・データ(Our World in Data)によると、米国では5月24日時点で住民1000人当たり42.79件の検査が行われていた。カナダでは、5月25日時点で1000人当たり39.21件だった。

アフリカで最も人口が多いナイジェリアでは、行われた検査は5月25日時点で1000人当たり0.22件だった。当局は、国民の間で広範に検査を行うことよりもクラスターの発生に焦点を当てていると述べた。他には、エチオピアの検査率がそれよりも少し高く、1000人中0.73件で、南アフリカはそれよりも大幅に高く9.84件だった。

アフリカでの検査率の低さから、新型コロナウイルスが気づかれないまま広まっているのではないかという懸念が生まれているが、実はそうではないかもしれないという希望もある。アフリカ疾病予防管理センター所長のジョン・ヌケンガソン博士は、コミュニティー内における説明不能な死因による死亡者数の急増や、病院利用者の大幅な増加がアフリカでは見られていないと説明した。

とはいえ、ヌケンガソンは慎重な対応を求めており、アフリカ大陸では検査を思い切って増やし、少なくとも人口の1%、つまり1300万人を検査する必要があると述べた。
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翻訳・編集=出田静

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