新型コロナの広がり アフリカで少ない理由は?

Yassine Gaidi/Anadolu Agency via Getty Images


多くのアフリカ諸国では、いまだに慢性的な医療器具不足があり、長年の紛争のせいで多くの場所では医療システムが不安定な状態だ。モデルからは、アフリカでは約300万人が新型コロナウイルス感染症になる可能性があることが示唆されていて、最悪のシナリオでは約30万人が死亡する可能性がある。アフリカでの新型コロナウイルスによる死亡件数は、5月27日時点で3500件をわずか上回るほどにとどまっていた。

専門家らはこれまで、アフリカでの感染者数が非常に少ない理由を理解できないでいる。一部の人は、若者の割合が多く、気候がより温暖で、結核に対するBCG接種が普及していることを、考えられる要因として挙げてきた。また、インフルエンザなど飛沫(ひまつ)感染する病気のアフリカでの流行のペースはこれまで、他の地域と比べてゆっくりだったことを指摘しておかなければならない。

これは前向きな傾向ではあるものの、アフリカでの新型コロナウイルス感染症の広まりが世界の他地域と比べてゆったりとしたペースであるように見える理由を説明する科学的証拠が出るまでは、アフリカ各国政府は極めて慎重な姿勢を崩さないよう、専門家らは警告している。

翻訳・編集=出田静

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