グーグルは今後Chromebookの学校向けの導入を期待している。Chromebookのシンプルな操作性やメンテナンスの手軽さ、安い価格は教育現場に最適かもしれない。先日、グーグルは昨年、Chromebookが幼稚園から高校までの教育機関向けに最も売れた端末だと公表した。
新型Chromebookがこのタイミングで販売されるのは偶然ではない。「第2、第3四半期は、多くの教育機関が備品を購入する時期だ」とChromebookの製品管理を担当するシーザー・セングプタ副社長は話す。
AsusのChromebook-Flip(Courtesy Google)
8月に発売予定のAsus の「Chromebook Flip」も注目の製品と言える。教育機関向けで競合となるのはiPadだが、Flipはノートパソコンにもタブレットにもなり、249ドルという低めの価格設定も強みと言える。
Flipは二つ折りの構造で、10インチの画面を後ろに折り曲げると、タッチススクリーン型のタブレットとして使用可能。タブレットモードの際は、自動的にタブレット用のインターフェースに切り替わる。手書きの文字入力やスケッチにも対応し、例えばユーザーが「:)」と入力すると、予測変換でニコニコマークを表示するといったユニークな機能も持つ。
これまで、AndroidアプリとChromeアプリの境界線は曖昧だったが、グーグルは数ヶ月前から、一部のアプリ開発者と組み、EvernoteやDuolingo、VineなどのアプリをChrome OSへ移植。先日はAndroidアプリをChrome用に最適化できる機能を一般公開したばかりだ。今後はより多くのAndroidアプリがChrome OS上でも利用可能になり、Flipのようなタブレット型PCでも使い慣れたアプリを使用できようになる。
「ユーザーにとっては、アプリを動かしているプログラムなんて関係ないことだ」とセングプタは話す。「AndroidとChromeはこれまで全く別物だったが、我々は2つのチームの協力体制を築き始めている」
開発チームは、ペアリングしたAndroid端末がBluetoothの有効範囲内にあるときにChromebook のロックを解除するスマートアンロック・システムも開発した。これは、Android Wearで動くスマートウォッチが、近くにあるAndroidスマートフォンのロックを解除する機能と同様なものだ。
AsusのChromebit(Courtesy Google)
Chromebookシリーズの中でも、最も小型で最安値なのが、Asus のスティック型端末「Chromebit」だ。Chromeboxよりさらに小型で、HDMIとUSBポートを備えたこのデバイスは、テレビやディスプレイに接続するだけでChrome OS搭載PCとして使用することができる。
「Chromebitは、超小型ながらChrome OSのフル機能が体験できる」とセングプタは言う。Chromebitは25セント硬貨の一束かスニッカーズほどの大きさで、価格は100ドルを切る。一体どういう用途で使われるのか、今ひとつはっきりしない点もあるが、Chrome OSの最大のメリットは、Chromebookにログインすれば、どこからでも自分のPCの全てのデータにアクセスできることにある。シャツのポケットに入れて持ち運べることは、それほど重要ではないのかもしれない。
Chromebitの便利な使い道の一つは、古いデスクトップPCの再利用だろう。これまで使っていたモニターやキーボードがあれば、すぐに新しいPCとして利用することができる。また、別の用途としては、Chromebitを屋外の広告ディスプレイの表示用に活用することだ。ディスプレイの価格は大判のポスターと同じくらいまで下がってきており、紙に比べて表示内容の変更が迅速で安価なため、今後の成長が見込まれる。
グーグルは今年も6月に開催が見込まれる開発者向けイベント、Google I/Oの2ヶ月前になって、Chrome OS搭載製品をまとめて発表した。今年のイベントではAndroidと並び、Chrome OS関連製品に注目が集まりそうだ。
ハイセンスとハイアールのChromebookは、4月上旬に先行予約が開始されたばかり。FlipとBitは今年の夏に販売開始予定だ。