同社の創業者でCEOのレイチェル・カールソンは、フォーブスの「30アンダー30」に選出された若手起業家で、2019年末には米国版フォーブスの表紙を飾っていた。彼女は今から数カ月前に、米国の雇用市場の変化を予測していたという。
「昨年の秋頃から当社のクライアント企業の多くは、近い将来のリセッションの訪れを警戒していた。そんな中、Guild Educationがどのような役割を果たせるかを考えていた」と、現在31歳のカールソンは話す。
「新型コロナウイルスのような危機が訪れるとは考えもしなかったが、結果的に早期から変化に備えることができた」と彼女は続けた。
Guild Educationは5月18日、エドテック分野のコンサルティング企業「Entangled Group」の事業の一部を買収したと発表した。買収後のEntangled Groupは、独立したホールディングカンパニーとして存続し、企業価値は2億ドル(約216億円)近くに及ぶという。
デンバー在住のカールソンは2015年にGuildを設立し、「本当に利用される教育ベネフィット」を企業向けに提供し始めた。多くの大手企業が福利厚生の一環で教育コースを用意しているが、実際に利用されるのはごくわずかだ。
Guildの教育カリキュラムは、ウォルマートやディズニー、レストランチェーンのチポトレなどで利用され、企業が優秀な人材を雇用し、つなぎとめる上で役立てられている。
しかし、カールソンは米国が景気後退入りした際に、リストラを行う企業が別の課題に直面することを予測した。そして、彼女はGuildの初期出資元のEntangledのPaul Freemanと協議を重ね、解雇された社員を新たな企業とつなぐと同時に、キャリアアップに必要な教育を提供するプラットフォームを立ち上げた。
「Guildはこれまで従業員が必要とするツールを提供してきたが、Entangledはそれとは逆に、企業のニーズに合うツールの開発を目指してきた」とカールソンは説明する。