世界でも追い風となっているEバイク市場、日本人の生活を豊かにする一台をみていこう。
革新を、さもなくば死を
まず、スペシャライズドについて紹介したい。同社は、アメリカ・カリフォルニア州に本社を構える総合サイクリングブランド。社是に掲げるのは、"Innovate or Die"(革新を、さもなくば死を)で、1974年に創設されて以来、革新を続けてきた企業だ。
高品質タイヤがなかったその昔、最高級のタイヤ作りを目指したのが同社である。また、ダート(未舗装)を走行できるクルーザーバイクに需要が集まった時には、量産型マウンテンバイクを生産した。ロードバイクのライダーが「もっと高速で走りたい」と願えば、カーボンに賭けて自前の自転車専用風洞実験施設をつくった。
さらに、子供たちが学校生活でうまく集中できないと聞けば、サイクリングによって彼らをフォローするスペシャライズド財団を設立するなど、常に革新を意識した企業風土がある。
拡大するEバイク市場、進む「都市化」
続いてEバイク市場を見てみよう。2019年の世界市場は154億2000万米ドル(約1兆6500億円)で、今後5年間は年平均成長率6.21%で推移するとも予測されている。
その背景にあるキーワードは、都市化だ。2050年までに世界人口の68%は都市部に移るという予測もある。都市化の影響から交通渋滞の回避は大きな課題となる。当然、自転車の需要は高まるが、特に電動自転車に期待がかかっている。
運転免許が不要で、高低差の負担を減らすEバイクは、短距離・中距離の移動と相性が良いと言える。人生100年時代という意識から、健康とフィットネスといった側面からも注目を集めそうだ。自動車に比べ二酸化炭素の排出も減らすことができ、次世代モビリティとも言える。
超軽量、軽快な自転車ライフを
スペシャライズドの「TURBO VADO SL」は、E-ロードバイク「CREO」、E-MTBの「LEVO」に続く、Eバイク「TURBO」シリーズの国内第3弾として登場した。その名称を紐解くと、VADOは「行く」、SLは「超軽量」(SUPER LIGHT)である。
時速24kmまでのアシストが効き、出社や買い物、フィットネスといったあらゆる外出を楽しいものにするだろう。また、平均的なEバイクよりも40%軽いといい(「VADO SL 5.0」で重量は14.9kg)、壁掛けラックへの上げ下げや、階段での持ち上げがあっても苦にならない。
高性能モーターは、スペシャライズド独自のパワーユニット「SL1.1」を搭載。小型で軽量、それでいて静かで自然なアシストを実現するモーターだ。坂道を平地と感じるような軽快な自転車ライフを堪能できるのだ。
ウィズコロナ時代、Eバイクを活用した自転車通勤のアップデートや週末のお出かけを考えてみたいものだ。