ビジネス

2020.05.18

メンタルヘルス系企業の注目株「Meru Health」が8.7億円を調達

Foundry GroupのBrad Feld(Photo By Helen H. Richardson/The Denver Post via Getty Images)

新型コロナウイルスの世界的流行が人々の心に暗い影を投げかける中で、メンタルヘルス系のサービスの需要は急拡大している。そんな中、オンライン経由でカウンセリングサービスを提供するスタートアップがシリーズA資金調達を実施した。

カリフォルニア州サンマテオに本拠を置く「Meru Health」は、認可を受けたセラピストと患者らをウェブ経由でつなぐプラットフォームを運営しており、先日の資金調達で810万ドル(約8億7000万円)を調達した。

今回のラウンドを主導したベンチャーキャピタルのFoundry Groupは、Meruの企業価値を3000万ドルから4000万ドルと評価している。業務コミュニケーションツールのSlackや、Bold Capitalも出資に参加した。

Foundry GroupでMeruへの出資を指揮したBrad Feldは、「新型コロナウイルスの感染拡大により、人々のメンタルヘルスは以前にも増して重要なテーマになりつつある」と述べた。

Meruは、パンデミック以降に新たな資金を呼び寄せたスタートアップの1社にあげられる。メンタルヘルス系のスタートアップへの投資に注力するWhat If Venturesによると、2020年第1四半期のこのカテゴリの企業の累計資金調達額は4億6200万ドルだったという。2019年の通年の調達額は7億5000万ドルだった。

2016年創業のMeruはウェブ経由で患者とセラピストをつなぐ12週間のプログラムを運営しており、ストレスや鬱、不安などを抱えた人々を治療している。同社の創業者でCEOのKristian Rantaは、これまで複数の医療サービスを立ち上げてきたが、鬱病に苦しんだ兄が自殺したのを契機にMeruのサービスを始動した。

「メンタルヘルス系のサービスへのアクセスを、従来よりも容易にしたいと思った」と彼は述べた。

従来のカウンセリングサービスとは異なり、Meruの患者らは主にメッセージング経由で心理学者や精神科医とコミュニケーションをとり、オンライン講座に参加する。Rantaによると、この手法でMeruの医師たちは最大120人の患者をケアすることが可能で、伝統的なカウンセリングを大幅に上回るキャパシティを実現したという。
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編集=上田裕資

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