だが、米紙ワシントン・ポストとメリーランド大学が成人を対象に4月28日~5月3日に実施、1005人から回答を得た世論調査の結果によれば、市民の大半が店舗や施設の営業再開に反対していることは明らかだ。
多くの市民が現在の状況に不安を抱き、店舗を頻繁に利用する気にはなれずにいる。これは、経済活動を再開させるにあたっての大きなハードルだ。また、店舗が営業を始めることにより、感染率が再び急上昇する危険性があることは言うまでもない。
調査の結果、「食料品店に買い物に行くことに不安を感じない」という人は、56%にとどまることが分かった。さらに、衣料品店での買い物や飲食店の利用について同様に考えている人は、それぞれわずか33%、22%だった。
そのほか調査では、居住する州でのさまざまな店舗・施設の営業再開について、どう考えているかを具体的に尋ねた。最も多くの人が再開に賛成していたのは、ゴルフコース(41%)だった。
広く開放された屋外のスペースであり、周囲の人との社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)も確保できると考えられることから、納得できる結果といえるだろう。
小売店の営業再開については、より多くの人が不安を感じている。「州政府が地元の小売店の営業を認めることに賛成だ」という人は、回答者の34%だった。理髪店・美容室は31%、銃の販売店は29%が営業再開に賛成するにとどまっている。
一方、衛生管理の面やほかの客との距離の近さからみて、最も大きな課題に直面する業態の一つとなるのは、飲食店だろう。現時点での営業再開を支持する人は、26%となっている。ただ、さらに反対派が多かったのは、映画館だ。再開に賛成の人はわずか18%だった。
米国内での新型コロナウイルスの感染状況は、州によって異なる。感染のピークを過ぎたようにみえる州もある一方で、依然として感染者の増加が続いている州もある。
「自分の住む州の現状をどうみているか」との質問に対し、「最悪の時期は過ぎたと思う」と答えた人は31%、「今が最悪の時期」と答えた人は30%だった。また、「最悪の事態はこれから起きる」と考えている人は38%だった。
「州内の店舗・施設の営業再開を支持する」と答えた人の割合は、それぞれ以下のとおりとなっている。
・ゴルフコース:41%
・小売店:34%
・理髪店/美容室:31%
・銃販売店:29%
・飲食店(店内での飲食):26%
・ネイルサロン:25%
・スポーツジム:22%
・映画館:18%