経済・社会

2020.04.28 12:30

復興に向かうイタリア、「15人以下の葬儀」の開催も可能に

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欧州最大の新型コロナウイルス感染症による死者数を記録したイタリアは、2カ月近くに及ぶロックダウンを経て、5月4日から段階的に封鎖を解除しようとしている。公園や建設現場、工場などが再開し、地域間での人々の移動も可能になる。
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イタリアのコンテ首相は4月26日のテレビ演説で、3月9日に導入したロックダウンを解除し、少人数での家族の集まりが可能になると述べた。

バーやレストランは、テイクアウト限定で営業が可能になる。6月1日までの期間は、提供された食事を家やオフィスに持ち帰ることが条件となるが、それ以降は店内での飲食も可能になる予定だ。ヘアサロンや理美容店も6月1日から営業が許可される。

イタリアでは葬儀が禁止されていたが、今後は参列者を15人以内に限定し、開催が可能になる。プロのスポーツ選手らは、個人による屋外での練習が可能になるが、グループでの練習が許可されるのは5月18日以降になる。
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現状では、生鮮食品店や書店、文房具店などの一部の小売業者が、徐々に営業の再開を認められつつあるが、5月18日以降はさらに多くの店の営業が許される。

イタリアにおける新型コロナウイルス感染症による死者数は、2万6600人を超えたが、ここ数日間の死者数は過去数週間で最低レベルになっている。26日の死者数は約260人で、ピーク時の900人以上から大幅に減少した。

ただし、制限の解除によってソーシャルディスタンシングが終わる訳ではない。コンテ首相は今後も、感染の再拡大を防止するために、人々と距離を置くように警告した。最低でも3メートルの間隔を置くことが必須とされている。

コンテ首相は演説で、「注意を怠ると感染が再び拡大し、死者数が増え、経済に回復不可能なダメージがもたらされる」と述べた。「イタリアを愛しているのであれば、距離を置いてほしい」

イタリアのサッカーリーグのセリエAも、再開に向けて動いている。今回のアナウンスで、5月18日からチームでの練習が許可されることになった。しかし、リーグの再開がいつになるのか、正式な日取りは明かされていない。

イタリアは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、全土にわたるロックダウンに踏み切った世界で最初の国になった。その後は、スペインやフランス、英国も同様な措置に乗り出した。

しかし、今では欧州の多くの国で一日あたりの死者数が減少傾向になり、各国の政府がロックダウンの解除に向けて動き出した。先週末からスペインでは、過去6週間で初めて子供たちの外出が許可され、5月2日から規制の緩和が開始される。

ドイツでは小規模な店舗の営業が再開された一方、公共交通機関ではマスクの着用が義務づけられている。デンマークでは11歳までの子供が学校に通えるようになった。フランスでは今週、ロックダウン解除の日程が決議される。

編集=上田裕資

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