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2020.04.30 06:00

コロナ禍で「緊急対応」する米プラ建材メーカー、売上高が倍増

Photo by Chris Graythen/Getty Images

アーノン・ローザンは、“大型のレゴブロック”のようなブロックの製造販売を手掛けている。オフィスや教室、軍の訓練施設などで、組み立て家具や仕切りなどを造るための製品だ。

過去にはニューヨークのブライアント・パークに設置された「氷の城」や、首都ワシントンに登場した高さ約5メートルの「メノラー(ユダヤ教の七枝燭台)」などをつくるための資材として、ブロックを提供してきた。

そのローザンが経営するエバーブロック・システムズ(EverBlock Systems)はここ数カ月、主に臨時病院の開設に関わってきた。ニューヨークからルイジアナまで、必要とされるさまざまな場所へ、トラック何台分ものブロックとウォールユニットを運び、新型コロナウイルスに感染した患者を収容するための医療施設の設置を支援している。

感染拡大が続く現在の状況について、ローザンは次のように語る。

「もちろん、惨事は起きて欲しくない」「だが、人々が必要とするものについて対応ができていること、問題を迅速に、効率的に解決できていることはうれしく思う」

米国内の緊急治療室(ER)や集中治療室(ICU)はすでに感染者であふれ、各州政府と連邦政府、そして全米の医療機関は、患者を治療するためのスペースの確保に苦慮している。ロサンゼルスからフィラデルフィアまで、各地のコンベンションセンターやアリーナ、ニューヨークのセントラルパークのような屋外のスペースが、臨時病院に転用されている。

エバーブロックには現在、通常の注文はまったく入っていない。だが、今年末までの同社の売上高は、当初予想していた750万ドル(約8億600万円)から、2倍以上の2000万ドル程度になる見通しだ。

ローザンは以前にも、災害救援プロジェクトに関わったことがある。1999年に創業、石油掘削リグなどでアクセスの確保に必要となる仮設床材などを提供していたシグネチャー・システムズ・グループ(Signature Systems Group)は、米国内の各地を襲った大型ハリケーン、カトリーナ(2005年)やアイク(2008年)、サンディ(2012年)の災害支援に当たった州兵の部隊、そしてハイチ大地震の後に支援活動を行った国連世界食糧計画(WFP)に、テント用の床材を提供した。
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編集=木内涼子

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