ニューヨーク市のデブラシオ市長は4月20日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、6月のパレードや集会を全て中止すると発表した。サンフランシスコで開催予定だった、プライド・パレードも数日前にキャンセルが発表された。ただし、主催者らはデジタル版のイベントを開催予定だ。
パレードを主催するヘリテージ・オブ・プライドは、今年で50周年を迎えるイベントの開催中止をアナウンスした。サンフランシスコ・プライドの主催者も4月14日に、6月のパレードのキャンセルを発表していた。
新型コロナウイルスの新規感染者数は、ニューヨークとサンフランシスコの双方で減少傾向にあるものの、延期日程を定めずにイベントが中止されたことは、大規模イベントの再開に向けたスケジュールが、依然として不透明であることを示している。
ただし、サンフランシスコのイベント主催者は、「従来とは異なるクリエイティブな手法」で、LGBTQコミュニティを祝福する場を提供すると述べている。
米国で3番目の規模のシカゴのプライド・パレードは、現時点では6月30日に開催予定とされている。
NBCニュースの報道によると、ワールド・プライドを主催するヘリテージ・オブ・プライドは、6月27日から24時間のオンライン版インベントを開催する計画という。
デブラシオ市長は「イベントの多くは中止ではなく、延期される」と述べたものの、具体的な延期日程については言及していない。
世界最大のLGBTQイベントとして知られるニューヨークのワールド・プライド・パレードは昨年、500万人の観衆を集めていた。市の中心地を練り歩くパレードのシンボルとなっているのが、マンハッタンのウエストヴィレッジのバー「ストーンウォールイン」だ。
1969年6月に警察がストーンウォールインに踏み込み捜査に現れ、異性の服装をしていた客や身分証明書を所持していなかった客らを逮捕した。現場に居合わせた客たちは警官に立ち向かい、暴動に発展した。この事件は「ストーンウォールの反乱」と呼ばれ、ストーンウォールインは性的マイノリティの権利獲得運動発祥の地として、後世に語り継がれることとなった。