絶頂期に活動休止 エド・シーランの受賞歴と現在

エド・シーラン(Dave J Hogan / Getty Images)

2019年、これまでに世界で3800万枚以上のアルバムと1億枚のシングルを売り上げたと公表され、「世界で最も売れたアーティスト」のひとりに数えられるエド・シーラン。

楽曲のセールスのみならず、17年から19年まで続いた『ディバイド・ツアー』は、「ポルスター」の調べによると、約7億3670万ドルの興行収入を叩き出したとされ、「2018年度最も稼いだツアーアーティスト」としても首位に輝いている。エドの華々しいヒット記録と受賞歴、絶頂期に突然の活動休止を宣言した理由とは。
 

トータルセールス1億3800万枚超えの若きヒットメーカー


11年のデビュー以降、立て続けにヒット曲をリリースし、一気に世界的人気アーティストへの道を駆け上がったエド。14年にリリースされた2ndアルバム『x(マルティプライ)』は、イギリス、アメリカ両国のアルバム・チャートで初登場1位を獲得。

イギリスでは、ゴールドディスクよりもさらに優れたプラチナ・ディスクに認定された。続く17年にリリースした3rdアルバム『÷(ディバイド)』は、Spotifyの過去10年間を振り返るランキングにおいて「世界で最も再生されたアルバム」1位を獲得し、ロングセールスを記録。

また、同年にリリースされた『Shape of You』は、アメリカやイギリスなど35カ国でのシングルチャート1位を獲得する世界的大ヒット作となり、エドはトップアーティストとしての地位を確立するに至った。

さらに、17年から2年以上に渡って開催された『÷ Tour(ディバイド・ツアー)』は、興行収入が7億3670万ドル、総動員数は815万を超え、興行収入、チケット売上総数ともに歴代最高を記録。19年には、世界中でこれまでに3800万枚以上のアルバムと、1億枚のシングルを売り上げたことが公表されている。

エド・シーランの受賞歴


楽曲やツアーを大ヒットさせ、様々な記録を塗り変えてきたエドは、これまでに多くの賞を受賞している。16年の最優秀楽曲賞、最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞受賞を皮切りに、グラミー賞だけでも4度の受賞を果たした。

また、アルバム『÷(ディバイド)』とシングル『Shape of You』が驚異的なヒットを記録した17年には、「IFPIグローバル・レコーディング・アーティスト賞」に輝き、その年に「世界で最も音楽を売り上げたアーティスト」に認定されている。

19年、フォーブスの「世界で最も稼ぐミュージシャン」ランキングでは、テイラー・スウィフト、カニエ・ウェストに次いで3位にランクイン。これには楽曲のセールスのみならず、『ディバイド・ツアー』が大きく貢献したものとみられる。

突然の活動休止宣言の理由は


2017年以降、名実ともに「世界で最も稼ぐアーティスト」となったエドだが、2年以上に及んだ『ディバイド・ツアー』を終えた19年、最低でも18カ月間の音楽活動休止期間に入ることを突如発表した。

活動を休止する理由として、エドは自身のSNSに「ディバイドのリリースとツアーは僕の人生を多くの点で変えてくれたが、今は外へ出て世界を見て回りたい。17年からノンストップで音楽活動をしてきたので、旅行や創作活動、読書などをして一息つきたい」という趣旨のメッセージを記した。

エドは、18年に高校時代の後輩であるチェリー・シーボーンと結婚したことが明らかにしており、イギリスのタブロイド新聞『The Sun』は、活動休止期間を設けることで、エドがこれまであまり過ごすことができなかった家族との時間を大切にしたいという意向もあるのでは、と報じている。

現在、エドのインスタグラムには、黒い背景に白字で「BRB(Be Right Back / すぐ戻る)」の3文字が並んだプロフィールアイコンが用いられ、活動再開後のさらなる躍進を予感させている。

文=野田美香

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