その最たる例が、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を提供する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズを起業したエリック・ユアン最高経営責任者(CEO)だ。ユアンは現在、カリフォルニア州サンノゼ近郊の自宅から同社を経営している。
世界中で多数の人々が自宅待機を強いられる中、Zoomは仕事のミーティングや学校の授業、読書会、バーチャル飲み会などに活用されている。ユアンは3月中旬、日本、イタリア、米国の学校へのZoom無料提供を始めた(中国では既に同様の取り組みを行っていた)。
ユアンはフォーブスとのインタビューで、自社の社員に対して「この機会を金儲けのために利用したら、それはひどい風土となる」と伝えたことを明らかにしている。同社の株価は、1月3日から長者番付の資産計算日である3月18日までの間に倍増。自社株の46%を保有するユアンの保有資産額は55億ドル(約6000億円)となった。
今年の世界長者番付では、ユアンを含め20カ国・地域出身の178人が初登場を果たし、その保有資産額総計は3690億ドル(約40兆円)に上る。うち女性は19人で、アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEOとの離婚によりベゾスが保有する同社株の4分の1を受け取ったマッケンジー・ベゾス(保有資産額360億ドル)が含まれる。