ただし、共和党支持者の大半はトランプの対応を前向きに捉えている。一方で、民主・共和両党の支持者が、州や地方行政の対応が大統領よりも優れていると回答した。
1057人を対象に実施された調査で、トランプの感染拡大への対応を支持すると答えた人々の割合は全体の44%だった。一方で、連邦政府全体の対応への支持率はそれより少ない38%だった。
さらに、人々の反応は支持政党によって大きく異なることも判明した。共和党支持者の82%が大統領のコロナ対応を支持すると答えたが、民主党支持者の支持率はわずか14%だった。
また、州知事の対応を支持すると回答した米国人の割合は57%に及んでいた。州政府の対応への支持率は、共和党支持者の間では65%、民主党支持者の間では56%だった。
市や地方行政の対応も、両党の支持者から前向きに捉えられており、共和党支持者の62%、民主党支持者の52%が支持すると回答した。
今回のAP通信による調査は、トランプのコロナ対応を米国人の過半数が支持していないことを示している。一方で、先日ワシントン・ポストとABCが行った世論調査では、トランプの支持率は2月から5ポイント上昇し、48%となっていた。
トランプは感染拡大の初期の段階で、ウイルスの脅威を甘く見ていたとして批判を浴びている。彼は、4月12日の復活祭(イースター)までに米国が通常の状態に戻ることを期待すると発言し、専門家から強い非難を浴びた後、その発言を撤回していた。
ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモなどの民主党所属の州知事らは、医療物資の割り当てに関し、大統領が十分な役割を果たしていないと批判している。各州の医療現場では、医療用マスクのN95や、人工呼吸器などが不足している。
公衆衛生の専門家たちも、トランプ政権による検査キットの準備が遅延していることを批判し、1月31日に中国からの外国人の入国拒否を宣言した時点で、準備を加速させるべきだったと述べている。
米国内の新型コロナウイルス感染者は20万人を超え、世界最多となっている。米国政府は3月31日、ウイルスによる国内の死者が、「社会的隔離」などの対策を講じた場合でも、数カ月で10万人から24万人に上る可能性があると警鐘を鳴らした。米国は今後の2週間以内に感染拡大のピークを迎える見通しだ。