やりたいことがないなら、「できること」を積み上げよう

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誰かのCANを疑似体験する


ジャングルクルーズはディズニーランドの名物アトラクションで、観客はクルーズ船に乗り、未知のジャングルを擬似的に体験します。つまり、アトラクションとして身の安全が守られた上での冒険です。しかし、ナビゲーターが「恐竜が出た! みんな隠れて!」などとアナウンスしながら臨場感を持って冒険を進めてくれるから、それなりのリアリティをもって冒険を疑似体験できるのです。

では、この「ジャングルクルーズ型」で、ある程度主体的に冒険を体験することで何が得られるのでしょうか? それは、自分たちのなかにあるCANを“思い出す”ことです。

そもそも、自分にはCANがないという人は、自分のなかにあるCANを“言語化できていない”可能性があります。言い換えれば、“CANを持つために何をしていいかわからない”という人がほとんどです。

そこで、「BBQ型」でCANやMUSTを埋めている人たちがどのようにプロジェクトを進めているのかを、ジャングルクルーズの観客のように目の当たりにしながら擬似的に体験して構造を学んでいけばいいのです。

例えばオンラインサロンで箕輪さんが「誰か動画編集できる人いない?」と声をあげるなら、どういうシチュエーションで動画編集というMUSTが生まれ、そのCANを埋められる人とどんなやりとりをするのか見るだけでも、「これなら自分にもできるかもしれない」「やってみたい」と、自分のなかにあるCANを掘り起こしたり、今のままでは何が足りないかが見えてきたりします。

小さなCANの積み重ねから


こうした冒険ができるのはオンラインサロンのみではありません。「あの業界には興味があるけど、自分のCANで入っていけるか自信がない」「どんなCANを持てばいいのかわからない」というときには、休日にボランティアに参加したり、友人のプロジェクトを見学させてもらったりして、誰かのCANを疑似体験することもいいでしょう。

今はCANで参加できなくても、次のチャンスには参加できるよう準備をする気持ちで、疑似体験に乗り出し、日常のなかで学んだり、実際にCANしてみたりすることで、小さなチャレンジを広げていくイメージを持てるようになるのではないかと思います。

大事なのは、いきなり「自分のWILLを見つける!」と飛び出すことではなく、自分の身の回りにあることから、CANを積み重ねていくこと。CANが積み重なることで自信がつき、やがて、自分の人生を牽引するWILLに出会えるようになっていくはずです。いま巨大なWILLを持つ偉人たちでさえ、はじめは小さなCANの積み重ねのうえに、大きなWILLに出会っていったのかもしれないのですから。

連載:ポストAI時代のワークスタイル
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文=尾原和啓

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