その名も「コタツ就活EXPO2021」。
合説と言えば、パーティションで区切られた各ブースに、長机とパイプ椅子…というイメージ。しかし、この合説は、一面に畳が敷かれ、企業ごとに1台ずつ「コタツ」が並ぶというユニークなしつらえなのです。
企業と就活生がみかんを食べながらコミュニケーションを深める会場は、終始、笑い声や熱気に包まれました。本記事では、主催のNPO法人HELLOlifeによるイベントレポートと共に、就活生や企業へのインタビューで見えた発見をお届けします。
主催はHELLOlife、共催はLUCUA OSAKA
変化する仕事探しの軸、現代の就活・採用事情
中小企業は、採用活動にかけられる予算が比較的少ないです。最も多い方法に「就職情報サイトへの情報掲載」がありますが(図1)、広告費があり、検索結果のトップに並び続ける大企業の情報に埋もれてしまいます。合説に予算をかけて出展したものの…という悲嘆もしばしば。従業員を大切に想う社長がいて、働く人々も素晴らしい、そんな就活生たちに出会ってほしい中小企業は、たくさんあるのですが…
一方、就活生の企業志向については、やはり大企業を希望する人が半分以上を占めるものの、「規模感にこだわりはない」という学生も多いです(図2)。
図1)2020年卒 採用活動の感触等に関する緊急企業調査(2019年5月 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ)より(外部リンク)
図2)2020年卒 マイナビ大学生就職意識調査(2019年4月 株式会社マイナビ)より(外部リンク)
私たちも就活生をサポートする中でこんな言葉を聞きます。
「正直、ナビサイトでおすすめされる企業にはしっくり来ません。業務内容より、自分がいいなって思える人たちと仕事をして、ていねいな暮らしができたら。そういう企業はどうやったら見つけられますか?」
自分の「仕事探しの軸(働く上での価値観)」に気づく機会を得られず、大手ナビサイトや通常の合説以外の就活方法を知らないのです。さらに、彼らの「仕事探しの軸」はますます多様化しており、カテゴリ化や、企業の検索がしにくいことも、出会いを狭めているように思います。
そこで着目したのは、企業との出会い方に魔法をかけること。そうして生まれたのが、合説自体にブランディングを施した、「コタツ就活EXPO」でした。
2019年度開催 第1回「コタツ就活EXPO」より
初開催は昨年3月。大阪梅田・グランフロント大阪にて、企業と就活生総勢170名が参加しました。盛況を経て、第2回目を迎える今回、大きく掲げたテーマがあります。
「“どんな仕事をするか”を超えて、“どんな人生にするか”を考える」
人生の中で多くの時間を費やす「働くこと」。だからこそ、就職活動や採用活動における出会い方は、生き方の価値観に寄り添うものであってほしい、そして納得のいく選択に繋がってほしいと考え、そのようなテーマを設けました。
Webサイトの企業紹介欄も会社概要は最低限に、各担当者の人生のポリシーを掲載し、「Life」と「Work」それぞれのエピソードを掲載。当日も、働く人々が「どんな人生を送っているのか」に耳を傾けられる合説に仕立てました。
コタツ就活EXPO2021 Webサイト「企業交流イベント参加企業一覧」より