企業の魅力は届いたのか。就活生の声は…
就活生へのアンケートでは、「指定席があってよかった」「考えてもみなかった業界の企業が一番印象的だった」という声が意外と多かったことにも驚きました。どれだけ「こんな会社がいい」と話す学生でも、最終的には「人」だったりします。
実は、前回のコタツ就活EXPOでも、冒頭で紹介した「八百鮮」に座った芸大生が、意気投合してそのまま就職、この春から働き始めるそうです。芸術の力が八百屋で爆発する日は近いでしょう。
そのほか、いくつか聞こえた声を紹介したいと思います。
・コタツを囲むと、普段の就活では話されないような、生き方や、働いている人の大切にしていることなどが知れてよかった。
・指定席だからこそ、これまで全く考えていなかった業界との出会いがあった。
・初めて本当に働きたいなと思える企業をたくさん発見出来て嬉しかった。
・合説では出会えないような中小企業とたくさん出会えて、自分の価値観に変化を感じた。
・業界ではなく、この人と働きたいなと思える企業があった。
・就活に対しての意識が180度変わった。人生を通して何をやりたいかではなく、どんな自分でありたいかを大切にしたい。
この日は大型商業施設が「就活デパートメント」に
会場となったルクア大阪は、JR西日本SC開発による、国内最大級の駅型商業施設。今回、合説以外にも、ルクア内の専門店と連携し、就活に自信をもって臨むためのキャンペーン「就活デパートメント」を同時開催しました。シャツ・ネクタイの着こなし方ワークショップや、緊張をほぐすハーブティづくり、履歴書用の写真館など。飲食店舗も、就活生限定の特典などを提供しました。
「メーカーズシャツ 鎌倉」はネクタイの結び方のコツを伝授。「内定写真館」では履歴書写真を撮影。「就カツ」と願を掛けたカツ丼の自動販売機があったり、店舗には手書きの応援メッセージも
就活メイクのレクチャーを提供したのは、ジェンダーレスコスメの「FIVEISM by THREE」。
「男性にもメイク…と言えば抵抗があるかもしれませんが、服や髪をスタイリングする感覚で楽しんでほしい。身だしなみが整うと、心も変わります。一人でも多くの人が自信もって臨めたら」
クマを消したり、清潔感を高めたり。もみあげを少し書き足すだけで凛々しさが際立つ技には歓声が上がった
単にモノを売り買いするだけでなく「コミュニティ化」を目指していると話す、ルクア大阪の新田健人さんにも、共催の背景を聞いてみました。
「就活は、悩みが多いテーマ。焦ったり悩んだりしたときに、学校のキャリアセンターや支援施設に行ったり…でも、その解決策のひとつとして、商業施設があってもいい。ここには、頼れるいろんな専門家が揃っています。お買い物のその先を生む場所にしていきたい」
確かに、この日のルクア大阪は、どこを歩いても応援されているような空間でした。イベントのあと、エスカレーターで乗り合わした大学生が「就活って、ワクワクできるんですね」と声をかけてくれました。
JR西日本SC開発(株) ルクア大阪事業本部の新田健人さん
合説の机と椅子をコタツに変えたことで、会話の温度感が変わりました。企業理念や業務内容だけが説明されるのではなく、生き方からその人や会社のことが語られました。就活生も企業も「どんな人生にするかを考えたい」という目線が通い合い、現在、職場見学や面談などで、再会も進んでいます。
「働くことは、生きること」というニュアンスの言葉がよくありますが、仕事と人生の心地よい関係性や価値観はそれぞれ違って、多種多様です。ただそれでも、人生の中で「働くこと」に費やす時間は長い。ONとOFF、ライフとワークをどれだけ切り分けても、人間そんなにうまくできていない。つらいこと苦しいことが重なれば「生きること」に大きく影響していくし、逆も同じだと思います。
だからこそ、「“どんな仕事をするか”を超えて、“どんな人生にするか”を考える」。自分の人生をイメージしたり、相手へ共有しながら就職活動・採用活動をおこなうことは、今回のテーマに限った特別なことではなく、とてもナチュラルで健やかなことだと思っています。そしてハローライフはこれからも、そのお手伝いをしていきたいです。
「コタツ就活EXPO」は来年度も2月頃に開催を予定しています。次はぜひ、ここまで読んでくださったみなさんと、コタツを囲みたいですね。