長友佑都も投資家として参画
現在はユーザー数も世界で約14万人。そして実際に動画を投稿し、クラブと契約に至った選手が37人いる。ブラジルの名門グレミオのU-20でゴールキーパーを務める選手、そして女子ではU-18のブラジル代表にまで名を連ねた者もdreamstock生としている。さらにはヨーロッパにも選手を2人誕生させるきっかけにもなった。
約1年半では順調な滑り出しを切ったが、将来への投資を行う事業モデルのためどうしても体力が必要になる。「ベンチャー投資して、その企業がIPOする」ようなモデルでdreamstockではその次のステップがプロ契約した選手達のビッグクラブへの移籍だ。
体力を付けるには、資金が必要となる。巻き込み力、仲間を増やしていくことも生き残っていくのは不可欠だ。そこで知人を介して出会うきっかけを得たのが、サッカー選手としてだけでなく、今や投資家としてもキャリアを築いている長友佑都氏だ。
松永氏は2019年夏に初めて長友と会う機会を得て、10分間のピッチを行った。そこから電話会議などを繰り返して、実現へと至った。
「最初に話した時に非常に熱い方だと感じました。彼も明治大学時代に試合に出ていなかった時があり、自分を出したいけど出せないという経験を持ち、凄く共感してくれました。」
そして長友氏は貧しい家庭環境の中、夢を追いかけるハングリー精神を持つ子供達にも自身の家庭環境を照らし合わせた。dreamstockのビジネスモデルを体現したかのようなストーリーを持つ選手の共感を得ることが出来た。
写真=伊藤圭
長友氏もこう語る。
「一か八かで歩んできた私の形ではなく、技術が発展している世の中でいろんな人がチャンスを持てるビジネスを一緒にやりたいと思いました。」
ピラミッド式で構成されているサッカー界の既定路線にグローバルなところから新たな手段を与えることで業界全体が活性化するきっかけになれば良いという思いを持つ。指導者やチームスタイルに合わずに競技を辞めてしまったり、嫌いになってしまったりする子もこれまで多かったが、その子達にとっての新たな選択肢になり得るサービスだ。
グロービズの日本からユニコーンを輩出することを目指すアクセラレータープログラム「G-STARTUP」の優秀賞にも輝く実績を持ち、エンジェル投資家の有安氏、赤坂氏・ベンチャーキャピタルを含め多くの出資を得ているdreamstockに掛かる期待は大きい。松永氏もその期待を一身に受け入れている様子だ。
「サッカーもグローバルに展開されていて毎年膨大な移籍金が動いています。その中にアプリで入り込み確実に選手とクラブのマッチング数を伸ばしていることを評価頂いている。また、グローバルで戦っていける組織を構築できていることとそのユニークさを見てくれていると思います」