ゲーム内でプレイヤーは危険な病原体を作り出し、伝染病のタイプや感染国を選び、惨事を引き起こすミッションを遂行する。感染を拡大させる上で、ワクチンなどの障害が出現するが、病原体の特性を変化させて対抗する。政府の対応を予測し、先手を打つことも求められる。
リリースから8年を経た「伝染病株式会社」は今年1月後半に、中国のアップストアのランキングを急浮上し、有料ゲームカテゴリで首位に立った。これを受けてNdemic Creationsは声明を発表し、「このコンテンツは単なるゲームであり、科学的エビデンスに基づいたものではない。疫病についての情報は専門機関から入手することを強くお薦めする」と述べていた。
2月27日、Ndemicは新たな声明を発表し、中国でアプリが削除されたと述べた。「我々にはコントロール不能な事態に巻き込まれたようだ。今回の削除が、新型コロナウイルスの感染拡大に関連したものなのかどうかは分からない」
ゲーム関連サイトPolygonによると、「伝染病株式会社」の累計ダウンロード数は1億3000万件に達している。開発者のJames Vaughanはかつて、米国のCDC(疾病予防管理センター)に招かれ、テクノロジーやゲームが人々に疫病に関する正しい知識を与える上で、どのように活用可能かを助言した経験を持つという。ただし、彼自身は医療分野の専門知識は持っていない。
新型コロナウイルスによる死者は2月27日時点で2800人を超えており、その多くが中国本土の人々だ。世界の感染者数は8万2000人を突破している。
Ndemicによると、同社は中国でのアプリの配信再開を目指し、様々な手段を探っているという。「英国の弱小デベロッパーに過ぎない我々が、中国政府の意見を変えるのは難しいかもしれない。しかし、規制当局にコンタクトをとり、彼らが抱いている懸念を理解し、我々に何が出来るかを探っていきたい」と同社は述べた。