市場調査企業Omida Technologyのデータで、2019年のiPhone XRの出荷台数が4630万台に達し、前年の2倍に膨らんだことが示された。これに対し、iPhone 11の出荷台数は3730万台だった。
2019年は各メーカーから新端末の発売が相次いだ年で、サムスンのGalaxy S10やアップルのiPhone 11シリーズ、グーグルの新型Pixelなどがしのぎを削っていた。そんな中で、前年に発売されたiPhone XRが好成績を収めたことは印象深い。
しかし、これは消費者としては歓迎すべきニュースだ。発売から2年目の中価格帯モデルがチャートの首位に入ったことで、今後は各メーカーが手頃な価格のスマホに注力することが考えられる。
グーグルは2018年に発売した、ハイエンドモデルPixel 3の廉価版の3aの出荷台数を伸ばし、サムスンも中価格帯のAシリーズでシェアを伸ばしている。近年はミッドレンジ端末の性能も大きく向上している。
Pixel 3aのカメラは、高価なPixel 3と同じものを用いていた。サムスンのS10eの外観ははハイエンドモデルの風格を備え、カメラ性能も十分だった。もちろん欠点もあるが、3年ほど前のミッドレンジ端末と比べると、大幅に性能を向上させていた。
このトレンドは今年も継続する見通しだ。グーグルが5月に発売する見通しの、Pixel 4aにも大いに期待できる。アップルのiPhone SE2は今年、最も注目すべきミッドレンジ端末になるだろう。
スマホ業界では、高価な折り畳み式端末が新規で投入される一方で、従来の端末の価格の引き下げが進んでいる。これは消費者とっては非常にありがたい流れだ。