私が創業したコンサルティング企業「リーダーシップIQ(Leadership IQ)」の調査からは、採用の失敗は大半の場合、技術的スキルではなく態度の問題によって生じることが分かっている。そのため新たな転職先を評価する上で、勤務態度の適合性をきちんと測ることは非常に重要だ。
今後の上司候補者が素晴らしい人かひどい人かをよりうまく評価するには、面接でいくつか質問をし、その答えを慎重に評価する必要がある。しかし「御社の企業文化について教えてください」のような独自性のない表面的な質問はしないこと。将来の上司候補に関して何も明らかにできず、決まりきった答えを聞かされるだけだ。その代わり、優しく威嚇的でない方法を使いつつ深く探ることが必要だ。そのためには、次の3つのステップに従おう。
1. 従業員が素晴らしい態度を示したときについて尋ねる
将来の上司候補を評価する簡単な一つの方法は、現在の従業員の一人がその会社にとって正しい態度を示したときの具体例について尋ねることだ。この点を柔らかく尋ねる方法は次のようなものだ。
「御社の企業文化に対してまさに正しい態度を示す現在の従業員について、その人が本当の意味で正しい態度を体現する行動を取ったときについて教えてください」
「この企業にとって、素晴らしい態度とはどのようなものですか?」のような抽象的な質問はしないこと。この質問からは「前向きな態度を持つ、協力的で責任ある人です」のような、具体性に欠けるぼんやりした答えが返ってくるからだ。
具体的な例を求めると、将来の上司候補は自分が真に評価しているものを明かすだろう。例えば、次の答えは実際のものだ。
「私の部下の中で最も優秀な人は、どれほど締め切りが近くても任せた仕事を全てこなすのが得意です。彼には他者からの世話は必要ありません。私はつい先週、水曜日の大きな営業訪問のためのプレゼンテーションを全て書き直す必要があることに気づきました。
「私は月曜午後に、彼に全てをやり直すよう指示し、彼は徹夜して火曜朝までに草稿を提出してくれました。完璧ではなかったので、彼はそれを火曜夜に手直しし、水曜朝のプレゼンの時間までにはより良いものができました。彼は愚痴や不平をこぼすことなく、仕事をただコツコツとやり遂げました」
この答えからは、この上司が長時間労働と指示を順守することを評価していることが分かる。この上司が必ずしも全候補者にとって悪い上司となるわけではないが、多くの候補者は、この上司のために働けば惨めになる可能性が高いことに気づくだろう。