企業価値1.3兆円突破の新興クラウド企業「Snowflake」の実力

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クラウドデータウェアハウス企業「Snowflake」は、評価額が世界最大の非上場企業の1社になろうとしている。

Snowflakeは、Dragoneer Investment Groupが主導するラウンドで4億7900万ドル(約530億円)を調達する見込みで、評価額は124億ドル(約1兆3700億円)に達するという。このラウンドには、セールスフォースも参加している。

カリフォルニア州サンマテオに本拠を置くSnowflakeは、2月10日に資金調達に関する発表を行う予定だ。前回ラウンドでの評価額は39億5000万ドルだったが、今回は3倍以上に拡大することになる。

もう1つ注目されるのは、セールスフォースとの戦略的パートナーシップだ。CRM業界の巨人で、時価総額が1650億ドルに達するセールスフォースの広報担当者は、今回のラウンドにリードインベスターの1社として参加したことを認めている。

Snowflakeはクラウド業界で最も成長スピードが速い企業の1つで、アマゾンやグーグル、マイクロソフトなどの大手と競合している。同社はクラウドプロバイダと企業のプログラムやアプリの中間レイヤにおける、仮想データレイク(Data Lake)の役割を果たす。

ユーザーは、クラウドプロバイダを横断してあらゆるデータを一元的に管理することができるため、組織が複雑な大手企業にとって有用なツールになる。また、Snowflakeのソフトウェアは、貴重なデータをセキュアに外部と共有することが可能だ。

Snowflakeには、2019年5月に業界のベテラン、Frank SlootmanがCEOに就任した。SlootmanはServiceNowの元会長兼CEOで、同社をIPOに導いた実績を持つ。Slootmanの前は、マイクロソフトの幹部だったBob Mugliaが5年間にわたってCEOを務めていた。

Snowflakeを創業したのは、Benoit DagevilleとThierry Cruanes、Marcin Zukoskiの3人だ。Dagevilleは現在も同社でチーフ・テクノロジー・オフィサーを務めている。同社は昨年2月プレスリリースを出し、顧客数が1400社、売上高成長率が257%であることを公表した。
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編集=上田裕資

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