ビジネス

2020.02.06 12:40

「ギャル」に目をつけた共感マーケの先駆者が語る、これからのエンタメに必要な視点


最近の事例では、鈴木奈々がメインキャラクターを務めた「LUNAナチュラルアップナイトブラ」が記憶に新しい。

ぶっちゃけキャラとして、夫との性生活における悩みを赤裸々に暴露することでも知られていた鈴木奈々。彼女をナイトブラのキャラクターに据えることで、商品の性能をより効果的に周知することに成功したという。



「弊社の強みは、タレントマネジメントに加え、商品やアニメーションなどのIPのマーケティングも主要事業である点と言えます。どの商品にどんなタレントをアサインすればいいかという視点が、タレントの売り出し方にも活きてくる。また、ネットサービスやアニメ、観光地……さまざまな領域のトレンドを一足早くキャッチできるので、時代の要請にあったタレントを輩出することができます。マーケティング部門からタレントマネジメント部門へノウハウを還流できる点で、シナジーが生み出せていると感じていますね」

共感マーケに必要な視点は「我慢」


さまざまなチャネルから、日毎夜毎に「人気者」が発掘され、生まれていく現代。そのなかで、突出した活躍を見せ、トレンドを牽引する存在になるためになにが必要なのだろうか。矢嶋はこれからの時代の共感マーケに必要な視点に「我慢」を挙げる。

「誰もが一度は脚光をあびることができる時代。しかし、一度得た人気を持続性のあるビジネスにしていくのは非常に難しい。流行だから、という理由で節操なくさまざまなものに手を出していると、ユーザーから不誠実だと敬遠されてしまうリスクがあります。ブランディングは我慢なんです。

弊社はプロデュース会社として、客観視した立場から、一人ではできないプロデュースをして、世の中に仕掛けていく。知れ渡ることが正義ではありません。“無骨にインスタグラム一本”だって、立派な戦略の1つです。

また、タレントに無理なキャラクターを押し付けるのではなく、『納得感』を持って仕事に取り組まなければ、ユーザーに共感を呼ぶコミュニケーションを起こすことができません。クライアント、タレント、事務所……“三方よし”になるコミュニケーションが、芸能事務所にも求められているのが現代のエンターテイメントなのだと感じています」

客観視した立場から、ひとりではできないプロデュースをして、世の中に仕掛けていく。

一歩間違えば、簡単に炎上してしまうこの時代において、個人ではわからない部分を俯瞰・客観視した立場から、弊社が自分では気がつくことのできない才能や個性を見極めてその手助けをする。それによって、一過性の人気ではなく、結果的に、継続した持続性のあるコンテンツになっていくのではないだろうか。

文=半蔵門太郎 写真=小田駿一

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