マイクロソフトが同社のウェアラブルデバイス、「マイクロソフトバンド」を発表したのは、昨年10月のことだった。そして先日、改めてこの製品に注力することを宣言した。
最初はマイクロソフトのオンラインストアと店舗のみでの取り扱いだったが、アマゾンや家電量販店のベスト・バイ、ターゲットでの取り扱いも開始することになった。
さらに、イギリスでの販売も開始。その価格は米国で200ドル、イギリスで170ポンドだ。英国ではO2ストアやCurry’s PC World、観光客や地元の富裕層でにぎわうロンドンのナイツブリッジにある高級百貨店ハロッズなどで取り扱う。
マイクロソフトバンドは、まず「限定販売」の形で登場した。ウェブサイトで「在庫なし」と表示し、消費者の興味をそそる戦略だ。しかし、現在はその供給個数を増やし、大量に出荷する準備を進めているという。
昨年、マイクロソフトバンドの登場を最初に記事化したのはフォーブスだったが、数年の開発期間を経て登場したこの製品は、同社にとってかなりリスキーな製品だと言える。
マイクロソフトのハードウェア製品には、正直むらがある。Xboxは大成功を収めたが、携帯音楽プレーヤーのZuneは間違いなく失敗作だ。さらに、タブレットのSurface RTの失敗は9億ドルの損失を同社にもたらした。
マイクロソフトバンドはサトヤ・ナデラCEOの指揮の元で発売する初めての新ハードウェアだ。
先日開催された年次発表会「Convergence 2015」のキーノートに、ナデラはマイクロソフトバンドを着用して登壇した。しかし、スピーチの中でナデラは、この製品の見た目について、一切ふれなかった。実際のところ、美しさの面ではアップルウォッチに勝てる訳がない。しかし、ナデラはその代わりに、マイクロソフトバンドが、いかにデータ収集と分析力に長けているかを説明した。
ベンチャービートの報道によると、ナデラはこの製品について「時計の形をしたセンサーフレームワーク」と呼んだという。「端末の移り変わりは早いが、大事なのはそこで集められるデータなんだ」とナデラは言う。
開発チームのへの取材でも、「今回のプロダクトは製品そのものよりも、Microsoft Healthプラットフォームと連携し、収集したデータを分析できることが最大の売りだ」というコメントが得られた。