市民団体のMedia Mattersは1月28日、TikTokが誤情報を拡散しているとのレポートを公開した。誤情報の中には、ビル・ゲイツが資金を提供する英国のピアブライト・インスティテュートが、新型肺炎の治療薬を開発中であるとするものもあった。
ピアブライトは家畜の感染症の研究を専門としており、コロナウイルス関連の特許も取得している。同研究所のリサーチ結果が、鳥などの動物の呼吸器系疾患の発症を抑えるワクチンの開発につながる可能性もあるという。
しかし、ピアブライトは1月24日の声明で、注意勧告を行い「当研究所は家畜が感染するコロナウイルスの研究を行っているが、現時点では人間のコロナウイルスは研究対象としていない」と述べた。
中国のバイトダンスが運営するTikTokは28日、「誤情報の拡散を防ぐ取り組みを進めていく」とアナウンスした。コミュニティに悪影響を与える動画や、恐怖心を煽るもの、選挙結果を誤った方向に導くコンテンツなどを排除すると、TikTokは宣言した。
TikTokはさらに公式ブログで、外部のファクトチェック機関の手を借りて、コンテンツの精査を進めると述べた。同社の広報担当は、これまで削除した動画の数については回答を避けた。
フェイスブックやグーグル、ツイッターなども新型コロナウイルス関連の誤情報の拡散を防止しようとしている。中国の武漢市で最初に発見された新型肺炎は、米国疾病管理予防センター(CDC)によると17カ国に広がっており、米国でも感染者が確認されている。