ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信


リチャード・ブランソンは、米国でもおしなべて良いイメージを持たれているので、今回の旅客鉄道とラスベガスへの進出には、大きな期待が寄せられている。鉄道の計画も、これまでのようにユニオンパシフィック社の鉄路を借りて車両だけ乗っけるという形でなく、高速道路の上りと下り線の間のスペースに新たに線路を敷設するという、これまでとは違う画期的な計画だ。

しかし、かつて筆者が日本の崇高ともいえる鉄道マンのプロ意識と比べて指摘したように、アメリカの鉄道のずさんな運行管理とその顧客不在の態様には消費者の不満が根強く、値段やスピードでの(航空機や車との)競争はもちろんのこと、待たせたら待たせっぱなしのような鉄道文化とはまったく異なる鉄道でなければ消費者はリピートしないだろう。

また、ラスベガスは、ホテルのトータル収入は上がっているし、集客数はずっと伸びているが、カジノ売り上げは冴えない。スロットマシンの機械そのものがどんどん大型化、高価格化する一方で、売上は横ばいが続き、カジノ産業の利益を圧迫している。

それが、客室単価や食事単価を押し上げ、各ホテルの売り物であるショーも同じようなものばかりとなり、どこに停めても無料が「売り」だった駐車場もほとんどのホテルで有料化され、地元住民としてはラスベガスらしい良さが失われて失望してきている。

しかし、宇宙飛行までするリチャード・ブランソンなら、この街そのものをもっと面白いものに変えてくれるに違いない。地元もそれに期待している。

文=長野慶太

この著者の記事一覧へ

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい