このニュースに絡み、様々な疑問が噴出している。2018年10月に暗殺された著名ジャーナリストのジャマル・カショギはワシントン・ポストでコラムを執筆していたが、彼の暗殺を首謀したのはサウジアラビア政府だったとされている。
また、昨年2月に発覚したジェフ・ベゾスの不倫を暴露したのは、米タブロイド紙の「ナショナル・エンクワイアラー」だったが、同紙はベソスの私的なテキストメッセージを入手し、その内容を公開していた。
ガーディアンは匿名筋の情報として、サルマン皇太子がマルウェア入りの動画をワッツアップでベゾスに送信し、その結果、彼のスマホがハッキングされたと述べている。
ベゾスとサルマン皇太子は、事件の発生以前は親しい間柄にあったとされているが、二人がどのような関係にあり、何を話し合っていたのかは不明だ。さらに、サウジ政府は以前、ベゾスやカショギの関係者への盗聴疑惑を否定していたが、今回の報道によりその主張の信頼性も揺らぐことになる。
カギョギは2018年、トルコのイスタンブールのサウジアラビアの大使館内で殺害されたが、彼が殺されたのはサウジアラビアを批判するコラムを執筆したためだとされていた。
米国のCIAはその後、サルマン皇太子がカショギの暗殺を命令したと結論づけた。サルマン皇太子はこの説を否定していた。
今回のガーディアンの記事は、ベゾスのセキュリティ担当のギャビン・デベッカーの主張を裏づける内容となっている。デベッカーは2019年3月のDaily Beastの記事で、サウジ政府がベゾスの電話をハッキングしていたと述べた。彼はまた、ベゾスの不倫ネタをナショナル・エンクワイアラーに持ち込んだのはサウジ政府であり、その後、彼の私的なメッセージや写真が暴露されたと主張した。
フォーブスはサウジアラビア大使館及び、ベゾスの広報担当にコメントを求めたが現時点で回答は得られていない。