これはShopifyに会員登録を行い、銀行口座との紐付けを行った全ての利用者に200ドルが付与される仕組みで、より多くの人々がプラットフォームに参加することをゴールとしている。
「この資金が移民として新天地で暮らし始めた人や、学費の支払いに苦慮する学生らにとって役立つものになることを期待する」と、Shopifyの金融部門バイスプレジデントのKaz Nejatianは述べた。
「200ドルをインスタグラムの広告費に充ててもいいし、ロゴの製作に用いてもいい」と彼は続けた。200ドルという金額は決して大きなものではないが、この資金を元に人々がビジネスを拡大することをShopifyは望んでいる。
スターター・ローンの申請に保証金は必要無く、利用にあたっての審査も行われない。借り手はShopifyで得た売上から、一定のパーセンテージを払い戻す仕組みで、売上を早く伸ばせば、支払う金利を抑えられる。
「この仕組で新たにプラットフォームに参加する売り手を支援したい。同業他社の中で、最もユーザーに思いやりのあるシステムを目指している」と同社は述べた。
創業間もないスタートアップが資金を調達するのは至難の業だ。小規模なビジネスであっても、銀行からの借り入れには事業計画書が必要で、多くの起業家が資金調達の難しさを理由に事業の立ち上げをあきらめている。
「起業家の大多数は、長期に渡る事業プランを持たず、銀行から資金を調達することは難しい」とNejatianは指摘した。スターター・ローン制度はこのような問題を克服するために設けられたという。
Shopifyは2016年4月に貸し出し部門のShopify Capitalを開設し、これまで累計7億5000万ドル以上を貸し付けてきた。同社はこのシステム自体から大きな利益をあげようとはしていないという。
「当社は2020年の目標として、より多くの人々に起業の機会を与えることを掲げている」と、Nejatianは話した。「このシステムを通じ、小規模ビジネスの活性化を図りたい。起業家たちが事業を始める上げる上での障害を取り除き、起業のハードルを下げていきたい」と彼は続けた。