米国は1月2日の空爆でイラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官を殺害したが、その後の数日でwar stocksと総称される軍事関連株は軒並み上昇した。
直近の5日間で、軍事関連ETFの「SPDR S&P Aerospace & Defense(XAR)」は4%近い上昇となり、「iShares U.S. Aerospace & Defense(ITA)」も2.5%の伸びだった。さらに、軍事企業大手のノースロップ・グラマンは8%、ロッキード・マーティンとレイセオンもそれぞれ4%と2%の上昇となった。
石油関連銘柄も軒並み上昇しており、先週あたまから現在までにWhiting Petroleumやオクシデンタル・ペトロリウム、ヘス・コーポレーションらはそれぞれ15%、11% 、5%の上昇となった。
イランによる米国へのサイバー攻撃の脅威が高まる中で、セキュリティ関連株も値を上げている。サイバーセキュリティに特化したETF「ETFMG Prime Cyber Security(HACK)」は、5日間で2.5%近く上昇した。
1月2日の空爆以来、安全資産の筆頭にあげられる金の価格は3%近い上昇になり、先週末には4カ月ぶりの高値をつけた。また、ビットコインの価格も1月2日から6日午後までの期間で9%上昇した。
CNBCは6日、ムーディーズのアナリストAlexander Perjessyの発言を引用し、今後の中東情勢の先行き次第で、広範囲なセクターに影響が及ぶ可能性を指摘した。なかでも、石油関連や銀行、旅行分野には大きな打撃が懸念される。
イラン側はトランプ政権による攻撃を強く非難し、報復を宣言した。仮に、イランが米国の同盟国のサウジアラビアの石油関連施設を攻撃した場合、原油のサプライチェーンには多大な影響が及ぶだろう。
CNBCによると、イランは2012年から2013年にかけて、米国の大手銀行を標的にサイバー攻撃を仕掛けており、同様な攻撃が実施される可能性もある。