2位のサムスンの出荷台数は前年比8.4%増で、世界のスマホ出荷台数の20〜30%を占めているものの、アップルに大きく差を開けられ、利益ベースのシェアは17%だった。
3位以下には中国のファーウェイやOPPO、Vivo、シャオミらが入った。中国メーカーは膨大な数のスマホを販売しているものの、その大半は価格競争が厳しい中国やインド市場向けだ。
一方で、アップルのモバイル分野での優位性は、ハードウェア市場のみにとどまらないとカウンターポイントは分析した。同社はiCloudやゲームのApple Arcade、アップルミュージックやNews+など、サービス分野でも売上を伸ばしている。忠実なアップルファンが、毎月100ドル以上を同社のサービスに支払うことも考えられる。
カウンターポイントのKarn Chauhanは次のように述べている。「アップルが利益率で競合を大きく引き離しているのは、米国やEU諸国、日本においてロイヤルでプレミアムな顧客基盤を築けているからだ。強固なエコシステムを誇る同社は、今後の数年に渡り、安定した売上を生み出し続けるだろう」
中国メーカーもグローバル進出を拡大しているが、アップルの成長は今後も続きそうだ。一方で、サムスンはより高い利幅が見込める約2000ドルの折り畳み式端末Galaxy Foldに注力している。サムスンのこの端末の販売台数は、100万台近くに達したとされ、売上は推定で20億ドルに及ぶことになる。
サムスンは折り畳み式端末を武器に、今後もハイエンド端末市場での売上を拡大するかもしれない。
世界のスマホ出荷台数は前年とほぼ同じ
しかし、ここで気になるのは世界のスマホ出荷台数が、前年と同レベルの3億8000万台に留まった一方で、利益が前年比で11%も低下していたことだ。
カウンターポイントのChauhanは、次のように述べている。「世界のスマホ市場では、中価格帯の端末が好調で、利益は前年比11%減の120億ドルに減少した。上位10メーカーの中で、前年比で売上を拡大できたのは、サムスンとファーウェイの2社のみだった」
今後のモバイル端末市場の成長を牽引するのは、5Gテクノロジーになるとの見方が有力だ。カウンターポイントによると、ファーウェイやOPPO、Vivoやシャオミなどの中国メーカーらは5G市場にアグレッシブに攻め込もうとしている。