同社の自動運転トラックは、カリフォルニア州トゥーレアリからペンシルベニア州クエーカータウンまでの2800マイル(約4500キロ)を走破した。走行は自動運転モードで行われ、緊急事態に備える人間のセーフティドライバーが同乗した。
Plus.aiによると、今回の走行は「日持ちのしない生鮮食品を満載した冷蔵トレーラーが、レベル4の自動運転により、北米大陸を横断する商用輸送に成功した最初の事例」だという。同社のトラックが運んだのは、乳製品で有名なランドオレイクス(Land O Lakes)社製のバターだったという。
自動運転トラックは12月上旬の厳しい気候条件の中、3日間で大陸横断に成功したという。Plus.aiの自動運転システムは複数のセンサーから得たデータを、ディープラーニングで解析し、SLAMと呼ばれるマッピングを行っている(SLAMはsimultaneous location and mappingの略で、自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術)。
車両にはセーフティドライバーだけでなく、自動運転システムのバックアップを行う「セーフティエンジニア」も同乗していた。
「テクノロジーの発展により、将来的に自動運転による大陸横断輸送は当たり前のことになる」とPlus.aiのCOOで共同創業者のShawn Kerriganは声明で述べた。「当社の技術力を証明できたことを誇らしく思う」
2016年に設立のPlus.aiは、自動運転の大型トラック (Class 8)を商用輸送市場に送り込むことにフォーカスしている。同社は米国や中国のトラックメーカーや船舶輸送企業、輸送オペレーターらと協業し、トラック輸送の自動運転化に3兆ドル規模の需要を見込んでいる。
Plus.aiはシリコンバレーと北京、上海にオフィスを設置し、2023年に商用オペレーションを本格始動させる計画だ。2019年1月のCESでデモを披露した同社は、10月にはミネソタ州運輸省と提携を結び、自動運転トラック分野で初めて政府機関と契約を結ぶ企業となった。Kerriganによると、自動運転のトラック輸送の商用化には、サプライチェーン側の協力を得ることも必須になるという。