参加者らは、相手の主張を積極的に聴き、それを要約したり言い換えたりすることで、互いの感情を本当に理解し合えた。これは、見込み顧客との商談にも通用する素晴らしい戦略だ。
「自由回答型の質問を投げかけることで、相手に耳を傾け、紛争解決へ向けて進むことができる。重大な交渉や調停では、傾聴は最も大切なツールのひとつとなる」とグレゴリーは言う。
調停の場では両者が互いの主張に耳を傾け、返答する前に相手の言ったことを要約する必要がある。見込み顧客との会話にも同じことが言える。アクティブリスニングは非常に重要なのだ。
(正直なところ、筆者はアクティブリスニングが完璧とは言えず、改善努力をしている。しばしば自分の熱意の方が勝ってしまい、相手の言うことを聴くべき時に、口を開いてしまう。古い格言で言われているように、「人は、あなたがどれほど気にかけているかが分かるまで、あなたが何を知っているかに興味を持たない」のだ。傾聴することで、自分の真剣さを示せる)
「互いが積極的に相手の話を聴き、調停役が自由回答型の質問を投げかけることで、両者が自分の立場をより広い視点で見始めるようになり、それぞれの状況に追加の懸念点があることに気付いた」とグレゴリーは言う。「例えば、何らかの合意があった場合にさまざまなステークホルダーにどう受け止められるか、互いの長期的な関係性、今解決しなければ、大金を掛けた裁判になった末に最終合意には3~4年かかる可能性があることなどだ」
物事をどう捉えるかも、大口顧客獲得を左右する鍵となる。「勝ちたければ、相手の言うことを積極的に聴くこと。そうすると、驚くほどいろいろなことを学べるだろう」とグレゴリーは語った。